デング熱感染が世界で急増、米国内でもリスク増大 CDCが警戒呼びかけ

(CNN) 米疾病対策センター(CDC)は25日、蚊が媒介する感染症のデング熱について、世界的に症例数が増えており、米国内でも感染の可能性が高まっているとして警戒を呼びかけた。

デング熱の感染者は地球温暖化の影響で世界的に増えている。デング熱を媒介するネッタイシマカやヒトスジシマカは暖かく湿度の高い気候を好む。

米大陸でデング熱に感染することはこれまで比較的まれで、ほとんどは海外の旅行先で感染していた。しかし今年は米国の旅行者のデング熱の症例が予想以上に多く、CDCによると今月24日までに745例が確認された。

米国の旅行者から報告された海外旅行に関連する症例は2023年の1年間で1829例に上り、米国で10年に統計を取り始めて以来最多だった。23年は23カ国でデング熱が流行し、世界保健機関(WHO)が確認した症例数は500万例を突破。南北米大陸だけで4000人が死亡した。

米国でもフロリダ、テキサス、ハワイ、アリゾナなど温暖な州では地元での感染が確認され、カリフォルニア州はパサディナで昨年、地元で感染した症例が初めて確認された。

CDCの25日の発表によると、24年は世界の感染者数が過去最高に達している。南北米大陸では970万人を超えて23年の1年間の感染者数の2倍に達し、年間の感染者数の史上記録を既に更新した。

プエルトリコでは感染者数のあまりの多さに保健当局が公衆衛生上の緊急事態を宣言した。

一般的にデング熱は蚊に刺されてから1週間ほどで発熱や嘔吐(おうと)、筋肉や関節の痛みなどの症状が出る。ただ、感染しても40~80%は症状が出ない。

重症化すると出血や呼吸困難などの症状が表れ、臓器不全で死に至る。治療しなければ致死率13%に達することもある。

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