〈スキャルピング売買のコツ〉をつかむために知っておきたい…他のトレード手法にはない〈スキャルピング〉特有の「メリット」6つ【カリスマFXトレーダーが解説】

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FX専業トレーダーであるぶせな氏は、「スキャルピングは儲かる」という曖昧な根拠で訓練するよりも、特徴を理解してから経験を積み重ねることの必要性を説きます。スキャルピングの特徴をおさえ、長期的な利益を見込めるよう仕組みを捉えていきましょう。ぶせな氏の著書「【究極進化版】最強のFX 1分足スキャルピング」(日本実業出版社)より、スキャルピングのメリットについて詳しく解説します。

メリットとデメリットを確実に頭に入れておく

スキャルピングは短期間で稼ぎやすい反面、もし期待値が低いトレードなら、すぐに資金をはき出してしまうリスクがあります。本来あるはずのリスクを伝えず、メリットだけ書いて「スキャルピングは儲かりますよ!」というつもりはありません。それでは、長期的に役に立ちません。本当のことをお伝えし、その対処法を考えていきます。

ここではスキャルピングのメリットとデメリットをそれぞれ見ていきます。注意してほしいのは、都合よく解釈したりマイナス要素を恐れすぎたりしないことです。

メリットが少ないのにデメリットだけが大きい、ということはありません。メリットとデメリット、リスクとリターンは、必ず同じだけ存在します。一部分だけにフォーカスし、拡大解釈しないようにしてください。同じスキャルピングでも、人によって合うやり方は違います。長期的に莫大な利益を得るには、あなた自身で実践しながら、自分のやり方を構築していく必要があります。そのためにも、以下の点は確実に押さえておいてください。

6つのメリット

スキャルピングのメリットは、コツをつかむと短期間で圧倒的な利益が得られることです。それを可能にするのが、スキャルピングの6つのメリットです。他のトレード手法にはない、スキャルピングだけのよい面です。なぜスキャルピングがいいのか、その理由を正しく理解しましょう。トレードルールのさまざまな場面での意味を把握していると、より習熟度が上がります。

「スキャルピングは儲かる」という曖昧な根拠で訓練するよりも、特徴を理解してから経験を積み重ねるほうがいいのです。

①資金をリスクにさらす時間が極めて短い

FXをやると、なぜ資金の増減があるのでしょうか? それは、損益が発生するからです。ポジションを持ち、買った価格よりも高く売れば利益、逆に安く売れば損失になります。至ってかんたんな仕組みですが、ポジションを持っているからこそ、損益が変動します。ポジションを1分間持つのと、1週間持ち続けるのでは、リスクはまったく異なります。1週間持っていれば、その間に損益変動があるため、変動リスクが大きいに決まっています。

ここでいうリスクとは、危険という意味ではなく、変動の可能性のことをいいます。リスクが大きいとは、損益の変動幅が大きいと考えてください。あなたが寝ている間に、とんでもない損失になっている可能性もあるのです。ポジションを持っている間は、資金がリスクにさらされているということです。

スキャルピングは、ポジション保有時間が数秒から数分ですから、1回のトレードに対する損益変動のリスクが極めて少ないといえます。もちろんトレード回数が多くなれば、その分リスクを取る回数も増えます。しかし、1回ごとのリスクを分散する効果があり、コツコツと資金を増やす手法といえます。

②資金効率が圧倒的にいい

FXは、25倍のレバレッジをかけることができます。たとえば、30万円の証拠金でスキャルピングするとします。25倍のレバレッジですから、750万円あるものとして売買ができます。レバレッジを目一杯かけると、1回のトレードで750万円分のトレードができます。10回行なうなら7500万円、100回なら7億5,000万円の売買を行なったのと同じです。1ヵ月間、毎日10回トレードしたら、15億円もの資金を動かしたことになります。

これは資金の受け渡しがない証拠金取引であるからこそできることであり、資金効率が圧倒的にいいのです。

FXがここ20年間で普及し、大衆化した「大きな理由」

③精神的負担が少ない

資金が減ると、精神的に悪影響をおよぼします。トレードで勝てず、お金が減っていく現実をつきつけられると、メンタルが崩れていきます。メンタルへの影響は大小さまざまですが、大きなダメージを与えるのが1回のトレードで大損することではないでしょうか。

たった1回のトレードで資金全額を失うと、放心状態になり、後悔しか残らないでしょう。全額を失わなくても、1回のトレードで大損すると、やはりメンタルは崩れます。ポジション保有時間が長いと損益変動が大きくなるので、このような可能性は増加します。可能性があるというだけでも、ポジションを持つときにプレッシャーになります。

一方、スキャルピングなら、逆行したら損切りするので、1回のトレードで損益変動は少ないです。つまり、リスクが少ないということです。損益変動が少ないとわかっているので、精神的なプレッシャーもかなり少ないのではないでしょうか。プレッシャーがないとはいえませんが、気楽にトレードできるので長続きするのです。

④急激な相場変動に影響されない

FXは、変動が激しいマーケットです。レバレッジもかけるため、ちょっとした値動きで損益が大きく変動します。相場の変動要因が予測できればいいのですが、為替市場は巨大であり、変動要因が多すぎるため、どんな材料で動くのか予想するのは困難です。また、取引時間が決まっているわけでもなく、週末以外24時間いつでもオープンで、常に変動しています。さらに、経済指標や突発的なニュースが発表されると、急変します。

もしポジションを持っているときに急変すると、含み損が急激にふくらむリスクがあります。スキャルピングなら、チャートを見ていないときはポジションを持ちませんから、知らぬ間の相場急変の影響を受けることがなく、安心できます。また、急変したときは、ポジションを持たずに様子見できます。トレードする場面を選べるので、大損するリスクも抑えられるようになります。

⑤テクニカル分析が機能しやすい

FXは、主にファンダメンタルズ分析とテクニカル分析があります。テクニカル分析は、チャートを使った分析と考えていいでしょう。個人がファンダメンタルズのみでトレードするのは珍しく、ほとんどの場合、チャート分析をもとにトレードします。

一方、相場を牽引するヘッジファンドや機関投資家などの組織は、ファンダメンタルズを根拠にトレード判断する場合が多いようです。しかし、チャートを見ないで売買しているとは思えません。チャートを見れば、基本的なチャート分析をするはずです。したがって、ほぼすべてのトレーダーがチャートでテクニカル分析をしていると考えていいでしょう。多くの人が同じものを見るため、節目や転換点がより意識されます。そのため、テクニカル分析が機能しやすくなります。

⑥好きな時間に取引できる

FXがこの20年間で普及し、大衆化した理由のひとつとして、24時間取引できる点が挙げられます。副業やお小遣い稼ぎとして、FXをはじめる方の多くは、日中に本業があるのではないでしょうか。仕事が終わり、帰宅したあと夜間でもトレードできるので、やってみようと思う方は多いでしょう。

私も会社勤めをしているとき、帰宅して21時頃から数時間トレードしていました。リアルタイムでチャートを見ることができ、ビギナーの個人だろうがプロの機関投資家だろうが、情報に差はありません。同じ値動きを見てトレードできます。

つまり、どの時間帯でも、世界中のトレーダーと同じ情報をその場で得ることができるのです。夜間でも同じ土俵でトレードでき、かつ市場が大きくテクニカル分析が機能する投資対象は、FX以外に思い浮かびません。時間帯に関係なく、24時間いつでもトレードできるのは、大きなメリットといえます。

ぶせな
FX専業トレーダー

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