人を襲う凶暴化カラス 後頭部目掛け…カメラが捉えた一部始終 専門家が語る意外な対処法「わざと目を合わせても大丈夫」

街の至る所で見かけるカラス。ゴミを荒らすなど一部ではやっかいものとされているが、特にこの時期、街中では凶暴化したカラスが目に付く。人を襲うカラス、その一部始終を取材班のカメラが捉えた。

カメラマンの後頭部を目掛けて突撃

「カラス注意」を呼びかけるポスターが貼られていた福岡市博多区の公園。

福岡市によると、「カラスに襲われた」などの相談は、4~5月で15件寄せられたという。

2024年6月、福岡県内で行われたあるスポーツの試合での一幕。撮影していた取材班のスタッフの周りにカラスが姿を現した。

カラスはじわじわと近づき、スタッフとの距離がわずか数十センチにまで縮まる。そしてスタッフの頭上すれすれを飛び始めたカラスは、羽ばたきながらスタッフを追い払うかのように威嚇を続けた。

そして身の危険を感じたスタッフが撮影を中断し退避し始めると、カラスはスタッフの後頭部を目掛けて突撃してきた。幸いにもスタッフにけがはなかった。

カラスに襲われたカメラマンは「怖かったです、ほんとに。大きな鳴き声を自分に向かって鳴いてくるというか、威嚇、大きな声を上げてくるという感じでした」と当時の状況について話す。

なぜ、カラスは執ように威嚇してきたのか。カメラマンは「現場には、食べ物がいっぱい散乱してたんですよね。それを自分の仕事がしやすいように動かして、掃除した感じなんですけど、多分、それを見たカラスが『エサをとりに来た奴』と思ったんじゃないか」と当時を振り返った。

子どもを守ろうと神経質に

なぜカラスはこの時期に人を襲うのか?

カラス研究の第一人者、東京大学総合研究博物館の松原始特任准教授に聞くと、「カラスのヒナが巣立つのがこの時期。巣立ちとは巣から出てくるだけで、独立できるわけじゃない。親元にまだ飛べないヒナが留まっているので、それを守るために人を襲うことがある。非常に神経質になる」という。子どもを守ろうとピリピリしているというのだ。

意外な対処法も「目を合わせて…」

もしカラスが近づいてきたらどうすればいいのか?

「攻撃される場合は必ず後ろから来る。体の中で一番高い所、頭を蹴っていく。口ばしで叩くじゃなくて足で蹴る。帽子でも何でもよいが後頭部をガードしていれば、それでもうケガは絶対にしない」と松原特任准教は教えてくれた。

さらに、意外な対処法もあるという。「カラスが激しく鳴いているようだったら、わざと目を合わせても大丈夫。後ろから来るというのは、敵が見ている状態で攻撃するのが怖いから。なので、振り向いて『お前がそこにいるのは分かっている』と示してやると、むしろ攻撃できなくなる」と松原特任准教授は解説する。

子育てが続く6月いっぱい、カラスは神経質な状態が続くということなので、もう少し注意が必要なようだ。

(テレビ西日本)

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