「秒で爆冷」できる!…新感覚のワーキングベストが誕生 作業現場などで大きな話題に

背面は通気性の良いメッシュを使用

今年も酷暑が予想される。そんな中、作業現場やレジャーシーンで重宝されそうなのがスイッチひとつで瞬間冷却できる新感覚のワーキングウエア「ペルチェベスト」だ。開発したのは「村上被服」株式会社(広島県府中市)で電流を流すと冷たくなるペルチェ素子に注目した。冬場はヒートウエアにもなる優れもの。同社の村上泰造社長に話を聞いた。

安全で快適なワーキングウエアを目指して60年

今回のペルチェベストを開発した村上被服株式会社は広島県府中市府に本社を構え、設立1963年4月。村上泰造社長は2代目になる。主に扱っているのはワーキングウエアで、なかでも難燃素材のウエアや電動ファン付きウエアなど、安全かつ快適さを追求した作業服には定評がある。

「品質管理の向上のため、国産品、海外生産品含めすべて全品検針・検品しています。製品づくりに関しては高機能、ファッション性、実用性を追求した商品づくりを自社企画で提案してきました」と村上社長は話す。

冷却効果を求め、背中や両脇下にペルチェ素子を4カ所設置
「ペルチェベスト」はブラックとホワイトの2種

騒音や振動がなく、冷却と加熱できるペルチェ素子に着眼

そんな中、今年新たに発売したのがペルチェベスト。これは装着後、最大でマイナス20度まで下げることも可能な機能を持っているが、開発のきっかけとなったのは建築現場をはじめ、作業現場でよく見かける電動ファン付きウエアだった。ただファン付きウエアは気化熱を利用して涼しくする設計なのだが、汗を吸わなかったり、厚手のインナーを着ると冷感効果を発揮することができない弱点もあった。

そこで村上さんは「ファン付きウエアを長年販売し続けている私たちなら、その構造がよくわかっているので、冷却効果を効率良く発揮することができる最適なインナーを作れると考えたんです」と一計を講じた。

その際に注目したのはペルチェ素子。これは電流を流すと片面で吸熱(冷却)し、もう片面で発熱(加熱)する板状の半導体熱電素子で、その性質を利用したもの。ペルチェ素子を使用した冷却装置はコンパクトで騒音や振動も発生しないことから医療用冷蔵庫やワインセラーなどに使われており、それを今回のウエアにも応用した。

さらに、高機能ペルチェプレートを冷却効果の高い、両肩部(肩甲骨あたり)と両脇部(わき腹あたり)の計4カ所に配置。これにより、体全体をくまなくクールダウンすることにつながったのだ。

フルハーネスを装着しても重ならないデザインに
電動ファン付きウエアとの相性も抜群の「ペルチェベスト」

秒で爆冷&爆暖する進化系快適ベストの誕生!

使いやすさを高めるため、ワンプッシュで冷却と過熱に切り替えることができ、外気や天候など環境に合わせて冷暖いずれも3段階調整が可能。冷却の場合は強(マイナス20度)なら約4時間、中(マイナス15度)なら約5時間、弱(マイナス10度)なら約6時間対応が可能。予備のモバイルバッテリーがあれば、さらに長く使うこともできる。スイッチを加熱に切り替えれば、逆に瞬暖最大50度までのヒートウエアにもなる。

また、墜落を制止するためのフルハーネス安全帯をつけても、電動ファン付きのウエアを着用した場合でも重ならない構造になっている点も見逃せない。伸びやかなストレッチ素材を前面に配し、背面は通気性の良いメッシュを使用。カラーはブラックとホワイト。衛生面などからファン付きウエアを使用できなかった食品工場や飲食店にはホワイトがおすすめだとか。サイズもMからXXLまで幅広い。

目指しているのは安全で快適でデザイン性に富んだワーキングウエア

実際にペルチェベストを使用した飲食店主は「夏場の厨房はちょっとした地獄ですが、ペルチェベストを着用してからはクールダウンが実現でき、作業も快適になりました」とニッコリ。また、建築現場で働く人からは「電動ファン付きウエアの下に着ています。ペルチェベストを着用することにより、いっそう快適に作業できるようになりました」との声も聞かれた。

今後は作業現場はもちろんのこと、医療や介護、飲食店などでの暑さ対策やレジャー、アウトドアスポーツまで幅広い場面での活躍が期待されそうだ。

◇「村上被服」株式会社
広島県府中市府中町14-22
電話0847-41-3036(代表)

村上被服は難燃素材のウエアでも知られる
村上被服株式会社の村上泰造社長

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