あなたの会社はどんな制度? 健康関連の福利厚生

あなたの会社はどんな制度?

健康関連の福利厚生

あなたの企業にはどんな福利厚生がありますか? いま注目されているのは健康関連にアプローチするサービス。学ぶことから相談まで、会社の制度としてあると頼もしいもの。そんな企業の取り組みの現在地を探ります。

そもそも…福利厚生とは?

企業が従業員やその家族に提供するサポートの総称。社会保険など法律で義務付けられた「法定福利厚生」と、交通費や住宅手当、健康診断など企業が任意で実施する「法定外福利厚生」があります。

Q.自社の法定外福利厚生で受けられるサービスについて理解している?

Q.女性特有の症状、妊娠・出産、妊活などにより職場で何かを諦めなくてはならないと感じた経験はある?

Q.女性特有の健康課題に関する福利厚生は導入されている?

Q.導入されているサービスは?(複数回答)

1位 健康保険・検診……45.5%

2位 子育てサポート……40.9%

3位 妊娠・出産サポート……35.2%

4位 メンタルヘルスサポー……29.0%

5位 健康に関するセミナーや動画配信サービス……23.9%

●体力的にもライフプラン的にも男性との差があるのは仕方ないが、そこを補うような何かがないと女性が長く働くことはできないと思う(30代)

●女性活躍推進についてマインドや考え方のハードルを下げることにいきがちですが、具体的な支援があったほうが一歩を踏み出しやすい(40代)

●たとえば更年期障害は女性だけでなく男性にもあるものなので、性別問わず制度を導入すべき(40代)

●男女問わず健康課題への対応は職場にとって重要な問題。相互に理解し、対応することが働きやすさにつながる(30代)

※アンケートはシティリビング会員組織「City's」を対象に4/18~22に実施。有効回答数781

働く女性の健康課題は企業としての対策が急務

女性の健康に関する国の高度専門医療研究機関が開設される方針で、現在準備が進められています。国が旗を振る「女性の活躍促進」を加速するためにも、「女性特有の健康課題を“見える化”し、支援が必要」と認識されたことが背景にあります。近年こうした認識は社会全体に広がりつつあり、働く環境づくりにも影響を及ぼしています。労働力人口総数における女性の割合が44.9%(※1)と約半数である現在、企業にとっても対策が急がれる課題なのです。

月経に伴う痛みや倦怠感等と、PMS(月経前症候群)/子宮頸がんや乳がんなど、働く世代に多い女性のがん/ホルモンのバランスが崩れる更年期の症状/あるいは不妊治療による、欠勤や休職/パフォーマンスの低下/キャリアの妨げや離職といった労働損失は、社会全体で約3.4兆円の経済損失(年間)になると推計、経済産業省の資料(※2)で公表されています。

積極的な取り組みは「投資」自分の健康への関心から

女では、具体的に、企業にどんなことが期待されるでしょうか。

性別を問わず女性特有の症状について知識を共有し、理解を深めること/就業規則を見直し、柔軟な働き方を可能にすること/婦人科医との連携や相談窓口の設置/検診や治療費用の補助/サポートツール(アプリやプログラム等)の導入などが、直接的な支援につながると考えられます。

女性の健康課題解決に向けた積極的な取り組みは、企業の成長という好循環へつながる「投資」と捉えることが大切で、戦略的に実施することで企業と従業員双方のメリットになり得ます。「健康経営」という観点です。

まずは、健康上の理由で勤務中にどのような困りごとがあるかをヒアリングし、女性従業員だけでなく全社で共有、支援策を検討することから始めてみませんか。女性が働きやすい環境を整備することで、すべての従業員にとって働きやすい環境となることをめざしてほしいと思います。あわせて、一人ひとりが自分の健康に関心を持つことを期待しています。

※1「令和4年版 働く女性の実情」厚生労働省

※2「女性特有の健康課題による経済損失の試算と健康経営の必要性について」経済産業省ヘルスケア産業課(令和6年2月)

教えてくれたのは…森まどかさん

医療ジャーナリスト。くらしにおける医療課題等を取材しメディア出演や執筆で発信。シティリビングWeb「フェムケア相談箱」でコラムを執筆中

必要なことはわかったけれど、実際に導入されているのはどんなもの? 女性の健康課題に取り組むさまざまな福利厚生サービスを紹介します。

あすか製薬「Mint+ フェムナレッジ」

女性医療をリードするあすか製薬が提供する研修動画サービス。生理、更年期、不妊など6テーマ16本の動画はすべて専門医が監修。忙しい社会人でも5分程度のスキマ時間で学習でき、アンケートや確認テストにより知識を定着、学習効果が確認できます。

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