山下智久『ブルーモーメント』最終回直前インタビュー!最も苦戦したことを告白「一番苦手な科目の試験がずっと続いている感じ(笑)」

『ブルーモーメント』で主人公・晴原柑九朗を演じる山下智久さんが、取材会に出席。約4ヵ月に渡る撮影を振り返りました。

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山下智久さん主演の水10ドラマ『ブルーモーメント』(フジテレビ)は、甚大な気象災害によって脅かされる人命を守るべく、知恵と知識を駆使し、現場の最前線で救助に立ち向かうSDM(特別災害対策本部)メンバーの奮闘を描く物語。

6月26日に放送される最終話に向けて、山下さんがクランクアップ後の心境と撮影の思い出を語りました。

クランクアップの実感わかず… 山下智久 クランクアップの実感わかず「もう台本を覚えなくていいんだ」

──撮影を完走した今の心境を聞かせてください。

気象をテーマにしたドラマで、雨を降らせたり、風を吹かせたり、いろいろ大変な撮影ではあったんですけど、何よりも大きなケガや事故がなく、無事に撮影を終えることができてうれしく思っています。

ただ、ちょっとまだ実感がわいていなくて。1週間、2週間経ったときに寂しさを感じるのかな。

──クランクアップした瞬間は、どんな心境でしたか?

本当に終わるのかなという感じでした。現場のみんなは、あまりにも毎日一緒に過ごしていた人たちだったし…まだ終わっていない気もします。

寂しさもちょっとあるんですけど、こんなに実感が湧かないものだっけ?と思うぐらい、終わった気がしないのが不思議ですね。余韻が長いです。

でも、家に帰ると「そうか、もう台本覚えなくていいんだ」と(笑)。あまりにもセリフを覚えることが習慣になっていて、今でも「次覚えるのはなんだっけ?」と、一瞬頭をよぎります。

──視聴者の反響は届いていましたか?

リアルタイムで見てくださっている方、配信で見てくださっている方、本当にたくさんの方が見てくださって、いろんなメッセージをいただき、愛される作品になっていると感じていました。それが僕らのモチベーションにもなっていたので、感謝しています。

──晴原は気象学の天才という役どころでしたが、演じるうえで心がけたことを教えてください。

晴原という人物の軸はどこなのか、それを忘れないようにしていました。

乗り越えなければいけない過去と、晴原はどう向き合っていくのか。これから先、どう生きていくのか。晴原の過去・現在・未来、現在地と目的地を頭の中に地図のように描いて進んでいくように心がけていました。

──災害シーンもあり、大がかりな撮影も多かったかと思いますが、印象に残っていること、大変だったことを聞かせてください。

ヘリの中のシーンとか、大がかりなグリーンバックでの撮影も大変ではありましたけど、個人的にはセリフが本当に多くて、そこが一番大変でした。

ありがたいこととはいえ、普段耳にしない言葉がとても多かったので…一番苦手な科目の試験がずっと続いていて、全然終わらない感じ。4ヵ月間ずっと試験期間だと想像してもらえたら、僕の気持ちを理解してもらえると思います(笑)。

『ブルーモーメント』で得たもの 山下智久が『ブルーモーメント』で得たもの「しっかり災害に備えるという気づきをもらえた」

──撮影前のインタビューでは「スタッフ・キャストに話しかけてチームワークを高めたい」と言っていましたが、今回はどのような現場でしたか?

現場のみんなとは、気を遣わない関係になれたと思います。最初は、自分から話すことを心がけていたんですけど、撮影が進んでいくうちに、頭に浮かぶことをナチュラルに質問して、話していました。

──どんな話をしたのでしょうか?

いろんな他愛のない話をしました。読んでいる本のこと、地元の居酒屋さんのこと、休みの日のこと。ざっくばらんに気を遣わずに話せて、よかったなと思います。

──共演者の中で、撮影前後で印象が変わった方や発見があった方はいましたか?

舘ひろしさんは、ハードボイルドというかダンディな印象があって、僕にはその側面しか見えてなかったんですけど、実はチャーミングなところも持ち合わせている方でした。

僕らにも気さくに接してくださって、舘さんの笑顔が現場のムードを作ってくださっていたなと思います。

──田中圭さんが晴原の幼なじみ・藤原四季役で出演。撮影時のエピソードを教えてください。

圭くんは同世代で、以前共演した時は週に1回ぐらい飲みに行ったり、ご飯を食べに行くような、友人に近い関係でした。

今回は撮影日数も少なかったので、ご飯を食べに行くことはなかったんですけど。僕も気を遣わずに本当の自分をさらけ出せる、数少ない仲間の1人だと思っています。

──第9話から政治家・新島元樹役で伊藤英明さんが友情出演しました。山下さんと伊藤さんはプライベートでも親交があるそうですが、現場ではどんな話をしましたか?

以前共演した時のことを懐かしむ瞬間もあったし、英明さんが今やっている作品の話をしました。

英明さんとは昔共演していた頃から定期的にお会いする機会があって、ご縁を感じているんですけど、僕にとっては、いつお会いしても気のいい兄貴のような存在です。

──この作品を通じて、山下さんが得たものは何ですか?

気象災害に備え、災害対応をする方々は大変な仕事をされているのだと実感しました。同時に、人生の中の厳しい時間を一緒に過ごせる仲間の存在、その大切さに改めて気づきました。

スタッフ、キャストが現場のいろんなところでそれぞれの持てる力を出し切って、数ヵ月一緒にいられるのは、かけがえのないことなんだなと。

あと、日本は本当に災害の多い国なので、自分自身もしっかり準備しておかなくてはいけないという気づきをもらえたと思います。

──ご自身が実践している災害への備えを教えてください。

今は、非常食をちょっと用意しているぐらいです。小さい笛をカバンにつけたり近くに置いたりしておくと、災害が起きた時に助かる確率が格段に上がるらしいので、そういう小さいことから備えていたいという気持ちはあります。

最終回、リアルタイムで見る? 山下智久『ブルーモーメント』最終回は「テクノロジーを駆使してリアルタイムで見たい」

──『ブルーモーメント』の放送に伴い、山下さんが過去に出演した作品が一挙放送されていました。ご自身の過去の映像を見て、どんなことを感じましたか?
自分が関わってきた作品が時を超えて、今見てもらえるのは、すごく感慨深かったですし、少し自分の人生を振り返るきっかけにもなりました。あと、時の流れの速さも感じて、一瞬一瞬を大切にしていこうという気持ちにもなりました。

過去の自分の姿を見るのは恥ずかしさもありますけど、それも含めて、今の自分につながっていると思いますし、何も分からないなりによく頑張っていたなと感じました。

──今回の現場で、以前の作品の現場のことを思い出すことはありましたか?

フジテレビさんのスタイルをなんとなく感じることもありましたし、懐かしさもありました。自分の携わってきたドラマはフジテレビさんが一番多いんですけど、大きい会社から独立して最初の民放作品で、ホームのような場所に帰ってこられて、うれしかったです。

──山下さんの主演作『コード・ブルー』はシリーズ化されました。『ブルーモーメント』のシリーズ化に対する山下さんご自身の思いは?

それは、見てくださっている方、応援してくださるファンの方が決めてくださることだと思います。呼んでいただけたら、また再集結するんじゃないでしょうか。

──最後に、最終話の見どころをお願いします。

観測史上最大の台風に、SDMがどうやって立ち向かっていくかが見どころです。SDMは現状に満足することなく、そこからさらに上を目指していくという壮大な夢を追いかけているチームで、僕自身もそこにすごく共感します。

次の次、そのまた次のラインを見て、より遠くに飛ばそうということだと思うので。そういうモチベーションをみなさんに受け取ってもらえたらうれしいなと思います。

──最終話はリアルタイムで見ますか?

見られたらいいんですけど、香港と上海に行く予定があるので…テクノロジーを駆使して見たいと思います(笑)。

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