ブルズから“古巣サンダー”へトレードされたカルーソ。Gリーグ時代の恩師との再会に「楽しみで仕方ない」<DUNKSHOOT>

現地時間6月21日、オクラホマシティ・サンダーとシカゴ・ブルズによるトレードが正式に発表された。このトレードにより、ジョシュ・ギディーがブルズ、アレックス・カルーソがサンダーへ移籍することとなった。

今季のサンダーは57勝25敗(勝率69.5%)を記録してウエスタン・カンファレンス首位、第1シードを手にして4年ぶりにプレーオフへ進出。ニューオリンズ・ペリカンズとのファーストラウンドは4連勝で突破し、カンファレンス・セミファイナルへ駒を進めたが、ダラス・マーベリックス相手に2勝4敗で敗れてシーズンを終えている。

21歳のギディーは、サイズ(203cm・98kg)とパスセンスに優れたオーストラリア出身のオールラウンダー。プレーメーカーとして高い能力を持つ一方で、3ポイントとディフェンスに難を抱え、マブズとのシリーズでは平均12.6分の出場で6.2点、1.3アシスト、3ポイント成功率18.8%と不発に終わっていた。

その見返りとしてサンダーに加入するカルーソは、196cm・84kgのコンボガード。キャリア7年目の今季はブルズで自己最多の71試合に出場し、平均28.7分、自己ベストの10.1点、3.8リバウンド、3.5アシスト、1.69スティール、0.99ブロックに3ポイント成功率40.8%(平均1.9本成功)をマークした。

2シーズン連続でオールディフェンシブチームにも選ばれた30歳のハードワーカーは、初のハッスルアウォードも受賞するなど、攻守に秀でた名脇役として知られている。
2017年、ドラフト外から2WAY契約選手としてロサンゼルス・レイカーズでNBAデビューを飾ったカルーソだが、実は初めてNBAチームと契約を結んだのは2016年9月のサンダーだった。

翌10月にウェイブ(保有権放棄)されると、2016-17シーズンをサンダー傘下のGリーグチーム(オクラホマシティ・ブルー)でプレー。50試合の出場で平均30.3分、11.9点、3.9リバウンド、5.2アシスト、2.16スティールをマークし、その後のレイカーズでの活躍につなげた。

カルーソがブルーに所属していた当時、チームの指揮を執っていたのが現サンダーHCのマーク・ダグノーだ。今回のトレードにより、39歳の“恩師”と7年ぶりに再会することとなった。

24日にサンダーの一員になって初めてメディアの前に現われたカルーソは、テキサス州オースティンにある自宅でゴルフへ向かおうとしていた矢先にトレードされたことを知ったと明かした。その後、たくさんのメッセ―ジにFaceTime、電話などの対応に追われたという。そのなかで、ダグノーHCとのやり取りをこう明かしている。

「彼から電話が入って、(自分は)満面の笑みになっていたよ。また彼の下でプレーできるのが楽しみで仕方なくてね。彼が『知ったかぶりするんじゃないぞ』と言ってきたから、『最初の練習で僕を罵倒してくるのを楽しみにしているよ』と伝えたんだ」

サンダーには今季のMVP候補にもなった25歳のシェイ・ギルジャス・アレキサンダーを筆頭に、22歳のチェット・ホルムグレン、23歳のジェイレン・ウィリアムズ、25歳のルージェンツ・ドートに20歳のケイソン・ウォーレスといった伸びしろを秘めた若手が揃っている。

新天地では年長の部類に入るカルーソは、若いロスターをさらに成熟させ、真のタイトル・コンテンダーへと昇華させる重要な役割をこなすこととなる。

指揮官のことをよく知り、ハッスルプレーや勝利のために必要な仕事をこなせる職人が加わることで、来季のサンダーはさらに強固なチームと化すのではないだろうか。

文●秋山裕之(フリーライター)

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