伊豆半島の南北を縦断する天城越えの道には、数多くのアーティストが訪れました。日本百名山の一つに数えられる天城山からは、様々なインスピレーションが得られたようです。自然豊かな山は観光スポットとなり、山の中腹には「道の駅 天城越え」が設けられました。施設では文学や音楽の題材に触れながら、清流を利用したワサビの味を体験することができます。
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天城越えの峠道に作られた天城山隧道
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天城山の峠を越える道は険しく1904年には、天城山隧道(旧天城トンネル)が作られました。全長約445.5mのトンネルは、現存する石造トンネルとして国内最長です。峠道を歩いたノーベル文学賞作家、川端康成は『伊豆の踊子』で、主人公が初めて踊子と会話する場面として、トンネル付近を選んでいます。文学ばかりでなく音楽の題材ともなり、演歌歌手の石川さゆりが1986年に歌った「天城越え」は、日本レコード大賞・金賞に輝きました。
峠越えの街道の中腹に設けられる道の駅
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いくつものアート作品を産んだ天城山は、伊豆でも屈指の観光地となりました。山のほぼ中腹には、「道の駅 天城越え」が設けられています。道の駅には、昭和の森会館、森の情報館、伊豆近代文学博物館、土産店、レストランなど多種多様の施設が設けられ、天城山がもつ多彩な魅力を紹介しています。また道の駅に繋がる踊子歩道をハイキングすれば、ありのままの自然に触れることができます。
天城山の自然の魅力があふれる昭和の森会館
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踊子歩道は20kmにも及ぶため、全長を踏破するのは容易ではありません。天城山の豊かな自然の魅力を一所に凝縮しているのが、道の駅の昭和の森会館です。館内では季節によって姿を変える植物や、森林に生息する動物をパネルやビデオでわかりやすく紹介しています。
伊豆にゆかりの作家を紹介する伊豆近代文学博物館
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のどかな自然があふれる天城には、数多くの文豪が訪れました。ゆかりの作家は約120人を数え、伊豆近代文学博物館には各々の直筆原稿や愛用品などが展示されています。
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なかでも『伊豆の踊子』のコーナーでは、長時間立ち止まる人も多いようです。幾度となく映画化された作品の名場面が、一か所にまとめて展示されているのです。踊子を演じたのは、美空ひばり、吉永小百合、山口百恵など、各々の時代を象徴する女優ばかり。展示を見つめる人の視線は、年齢によって微妙に変わるようです。
伊豆の清流で育ったワサビを使ったスイーツやグルメ
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見応えたっぷりの自然や文学に関する施設のほか、お土産や特産品も見逃すことはできません。昭和の森会館の売店には道の駅のオリジナルグッズや、民芸品などが数多く並んでいます。
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「天城わさびの里」では、天城の特産品であるワサビを販売しています。ここでぜひ味わいたいのが「わさびソフトクリーム」。すりおろしたばかりのワサビが、バニラソフトにたっぷりとのっかり、爽やかな辛みと上品な甘さが絶妙のハーモニーを奏でます。ほかにも、ワサビの収穫やワサビ漬けの加工体験に参加することもできます。
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「山のレストラン 緑の森」にもワサビを使ったメニューが充実しています。「わさび丼」は、産地ならではの味わいです。新鮮な生ワサビは辛味の中にほのかな甘みを感じることができます。ワサビ入りのパスタも、和の香りが洋の味わいを引き立てます。
自然や文学に触れながら味わう本場のワサビ
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「道の駅 天城越え」は、文学や音楽の題材となった天城山の魅力を紹介しています。豊かな自然が満ちあふれる山では自然の恵みも豊富です。なかでも清水で栽培されるワサビは豊かな香りも漂わせます。施設内の売店やレストランでは本場ならではの味わいを確かめることができます。
【道の駅 天城越え】
住所:静岡県伊豆市湯ヶ島892-6
電話番号:0558-85-1110(昭和の森会館)
営業時間:8:30~16:30(施設・店舗により異なる)
定休日:年中無休(臨時休業あり)/第3水曜日(昭和の森会館)
公式サイト:https://www.cbr.mlit.go.jp/michinoeki/shizuoka/shizuoka07.html
[All Photos by Hitoshi Obayashi]