パリ五輪開幕まで1カ月、本県の精鋭が挑む 出場決定は現在4人

左から高橋健太郎、鈴木透生、岡沢セオン、鏡優翔

 パリ五輪は開幕まで1カ月に迫った。県勢はレスリング女子76キロ級の鏡優翔(ゆうか)=サントリー・山形市出身、ボクシング男子71キロ級の岡沢セオン(INSPA・日大山形高出)、水球男子の鈴木透生(とうい)=イカイKingfisher74・山形市出身、バレーボール男子の高橋健太郎(ジェイテクト・米沢中央高出)が現段階で出場を決めており、夢舞台での活躍が期待される。

 鏡は日本女子が獲得したことがない「最重量級の金メダル」を狙う。5月に負傷した右膝の具合が気がかりだが、ここまで順調に回復し、想定より早くスパーリング練習を再開できる見込みという。昨秋の世界選手権を制し、日本レスリング界の大きな期待を受ける実力者は「(金メダル獲得を)自分が成し遂げたいという気持ちが大きい」と意欲を語っている。

 岡沢は昨年10月に2度目の五輪出場権を獲得後、トルコやモンテネグロ、キューバなど世界各国を巡る個人合宿を行い、経験値を高めてきた。2回戦で敗れた東京五輪の教訓を生かし、今大会は五輪期間中にピークを合わせることに集中しており「ここまで順調にピーキングができている」と手応えを示している。

 水球日本男子は昨秋の杭州アジア大会で53年ぶりの優勝を果たし、3大会連続の五輪切符を手にした。東京五輪に続く2大会連続の出場で、今回は主将を務める鈴木は、ギリシャの強豪チームでプレーする「武者修行」を行い、レベルアップを図った。鈴木は「ベスト8以上、そしてメダルを狙う」と目標を掲げる。

 高橋は高いブロック力を武器に初の五輪代表入りを果たした。東京五輪出場を逃し、競技引退を考えるほど落ち込んだが、家族や仲間の支えで再起した。ブラン監督は「膝のけがを再発させないためにあらゆる努力をするよう言ってきた。それに応えて努力してくれた」と評価。世界ランキング2位と上り調子にあるチームを勢いづける。

 他に代表発表を控えるサッカー男子では半田陸(G大阪・上山市出身)がメンバー入りを目指す。陸上では女子円盤投げの斎藤真希(東海大大学院・鶴岡工高出)、同短距離の青野朱李(NDソフト)が参加標準記録の突破など厳しい条件をクリアできるか。

 本県関係では他に男子マラソンのアレクサンダー・ムティソ(NDソフト)がケニア代表でエントリー。レスリングではシドニー五輪男子代表の父康年さん(酒田市出身)の娘・元木咲良(育英大助手)が女子62キロ級に出場する。

© 株式会社山形新聞社