KINTOの新サービス「これなにガイド」「トレーニング機能」を先行体験してみた

by 編集部:塩谷公邦

2024年6月26日 サービス開始

KINTOが新たに開発した新サービスAR技術でクルマの機能を案内する「これなにガイド」を体感してみた

各種機能をスムーズに理解してもらえる“基盤”を作りたい

KINTOは6月26日、専用スマートフォンアプリ「KINTO Unlimitedアプリ」とAR(拡張現実)技術を活用し、クルマに搭載されている各種機能を案内してくれる新サービス「これなにガイド」の無料提供の開始に合わせて、事前説明会を都内で実施した。

KINTOマーケティング企画部の佐野力氏によると、2019年に「クルマのサブスクリプションサービス」を開始し、若年層を中心に支持され、2023年12月末時点で申し込み件数が累計10万件を突破し、順調に拡大しているという。

また、見積もりから契約までの一連の手続きをWebサイトで完結させ、ディーラーへ行かずともクルマを購入できる仕組みを構築したほか、納車後にクルマの“進化”と“見守り”を付加した新たなグレード「KINTO Unlimited」を立ち上げ、同時に専用の「KINTO Unlimitedアプリ」も開発し、新たなサービスを展開している。

「顧客体験のデジタル化」のこれまでの事例

今回はKINTOが掲げる「顧客体験のデジタル化」の新たな展開として、クルマに搭載されている各種機能をスムーズに理解してもらえる“基盤”を作りたいとの思いから、AR(Augmented Reality=拡張現実)技術を活用し、ステアリングの左右に配置しているボタンの用途と使い方を、テキストや動画で案内してくれるサービスを新たに開発。

専用アプリでカメラを起動してステアリングのボタンに向けると各種機能の文字が画面内に表示される。あとはタップすれば機能を案内してくれる

ボタン形状と表面のアイコンを同時に読み取っているため、ステアリングが異なればデータを1から作る必要があり、まずは「プリウス(2023年1月発売モデル)」から提供を開始し、次いでKINTO Unlimitedの対象車種である「ヤリス(2024年1月発売モデル)」「ヤリス クロス(同)」へと拡大させる予定という。その後はユーザーの利用状況を確認しながら、車種や機能の拡大・拡充を検討するそうだ。

また、この機能はプリウス全グレードで利用できるうえ、「KINTO Unlimitedアプリ」さえインストールしていれば、プリウスを所有していないユーザーがレンタカーで利用することも可能。外出先でプリウスを借りた場合に重宝するだろう。

さらに、KINTOのサブスクを利用してプリウスUグレードに乗っているオーナーであれば、自身の契約情報とアプリが紐づけられ、各種機能の搭載の有無を一覧にしたリストも提供してくれるほか、アプリから未搭載サービスの追加申し込みも可能となる。

プリウスのUグレードはKINTO専用
契約内容に合わせて機能がリスト化されるだけでなく、アプリから未搭載機能を追加注文することもできる

自分の運転を振り返りより安全運転を身につけるための「トレーニング機能」

新サービス「これなにガイド」の追加に合わせて、KINTO Unlimitedオーナーに無料で提供している、安全・エコな運転につながるポイントをアドバイスする運転診断サービス「コネクテッドドライブトレーナー」にも、新たに“トレーニング機能”が追加された。

KINTO総合企画部の西淵泰斗氏は、「従来の運転診断機能はGセンサーなどで急加速や急減速といった車両の動きを見ているのが多かったですが、コネクテッドドライブトレーナーは、トヨタと共同開発によりT-Connectを通じて、さらにウィンカーやステアリング、バック確認時間など、運転に関する操作データを収集・分析しているのが特徴です」と説明する。

基本的にはエンジンをかけて、次にエンジンを切るまでを採点するが、長時間同じ場所に止まっているといったん採点を切る仕組みになっている
運転操作を採点して、アドバイスをくれる

続けて、「このトレーニング機能を追加した理由は、実はアプリユーザーから『データを分析していろいろと注意をうながしてくれるのはありがたいけれど、じゃあ次はどうしたらいいのか分からない』という声をいただきまして、スポーツと同じように、目標・行動・結果・分析・改善といった反復をしなければ運転レベルも上げていけないだろうと考え、収集している細かいデータを活用し、ユーザーごとに適したトレーニングメニューをおすすめすると同時に、自身の目標設定や振り返りを行なう仕組みも導入しています」と開発経緯とサービスの狙いを語った。

従来からある機能。右から「現時点の“安全”の評価や“エコ”のランキングなどが確認できる」「運転ごとに履歴化。地図上で評価とアドバイスを見ることができる」「1か月の総合評価を項目ごとに確認できる。参加者の平均と比較することも可能」
追加されるトレーニング機能。右から「運転実績に応じたトレーニングをお客様ごとにおすすめ。“心がけポイント”はレベルごとに設定」「運転が終わったあと、レベルごとに設定された“心がけポイント”を自己採点する」「取り組んでいるトレーニングの進捗状況が確認できる。自己評価と達成率を見比べられる」

今後はさらにデータの分析を進めていき、より上手なドライバーの運転を誰でも簡単に真似できるような取り組みや、同じメニューに参加しているユーザー同士で安全テクニックのポイントを競うようなランキング表記なども検討しているという。さらには、そのランキングに応じてちょっとした特典などが得られるようなことも検討していきたいとしている。

さらに安全運転を認定したドライバーに対しては、KINTO独自のNFT(Non-Fungible Token)の証明書を発行し、その証明をブロックチェーン上に記録するといった実証実験を2024年6月より実施しているという。

短時間ウィンカーの人は事故率が約2倍高いデータもあるという
NFT証明書の発行も実験的に行なっている

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