NFLがスポーツ医学における多様性を促進する取り組みの2024年度参加者を発表

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現地25日(火)、ナショナル・フットボール・リーグ(NFL)がNFL医師会(NFLPS)およびプロフットボールアスレチックトレーナー協会(PFATS)と共に、今年で3年目を迎える“NFLスポーツ医学多様性パイプラインイニシアチブ”に参加する医学生を発表。2022年に開始され、リーグ全体で行われるこのプログラムは、スポーツ医学の道を志す学生のパイプラインを増やし、多様化することで、将来的にNFLクラブの医療スタッフの多様化につなげることを目的としている。

21の医学部から集まった学生たちがプライマリ・ケアスポーツ医学および整形外科に焦点を当てた1カ月の臨床研修に参加すべく、NFLの各チームに割り振られた。学生たちはこの研修で、リーグ中の選手にケアを提供する各クラブの医療スタッフから学び、彼らの下で実際に働く機会を得る。学生たちの臨床研修は2024年NFLシーズンに向けて来月から始まるトレーニングキャンプに合わせて開始される予定だ。

NFLのチーフメディカルオフィサー(CMO/医務部長)であるアレン・シルズ医師は「今年度の医学生を迎え入れ、NFLクラブの医療スタッフのもとで臨床研修を行うという貴重な機会を提供できることに、NFLとリーグ中のクラブは興奮している」と述べている。

「私たちが多様で少数派の関心を持っている医学生を、スポーツ医学の専門家のパイプラインに導く取り組みを続ける中で、今シーズンはより多くの医学部から素晴らしい参加者を集めることができた」

NFLPS会長であり、クリーブランド・ブラウンズの医長やユニバーシティ・ホスピタルズ・クリーブランドの整形外科部門部長でもあるジェームス・ブース医師は「NFL医師会は最高水準の医療を提供する上で、多様性と包括性が重要だと考えているため、この影響力のあるプログラムの重要な役割を担えることを誇りに思っている」とコメント。

「私たちの選手やスタッフ、地域社会は多様なバックグラウンドを持つ人々の宝庫であり、それがこの組織と私たちが提供しているケアの質を豊かなものにしている。2024年度の学生たちがスポーツ医学に携わるキャリアを検討してくれることを願いつつ、指導にあたることを楽しみにしている」

また、PFATSの会長で、グリーンベイ・パッカーズの選手健康・パフォーマンス担当副社長のブライアン・エンゲルは「プロフットボールアスレチックトレーナー協会はこのようなインパクトのあるプログラムに参加できることを改めて誇りに思う」と語った。

「今年で3年目を迎え、リーグ全体に拡大してから2年目となるスポーツ医学多様性パイプラインイニシアチブは、健康と安全の分野における機会を拡大するというNFLのコミットメントを物語っている。プログラムは多様なバックグラウンドを持つ医学生に、各NFLクラブの医療スタッフの中でまたとない経験をもたらす。このプログラムは学生だけではなく、NFLの医療スタッフにとっても非常に貴重なものだ。これにより、私たちのスタッフは優秀な学生を指導し、最高の医療を提供する分野へと彼らを勧誘する機会を得ることができる」

2024年シーズンにプログラムに参加する学生は以下の通り。

クレイシュン・ハート(モアハウス医科大学)アリゾナ・カーディナルス
ジェリー・ユエ(モアハウス医科大学)アトランタ・ファルコンズ
アレン・オポク(ジョージタウン大学医学部)ボルティモア・レイブンズ
モリア・マーティンデール(バッファロー大学ジェイコブス医学・生物医学部)バッファロー・ビルズ
アレクシス・レモーン(ウェイクフォレスト大学医学部)カロライナ・パンサーズ
アイシャ・スハイバ(イリノイ大学医学部)シカゴ・ベアーズ
デーブ・デリマ(モアハウス医科大学)シンシナティ・ベンガルズ
レイチェル・ガーデンハイアー(ケース・ウエスタン・リザーブ大学医学部)クリーブランド・ブラウンズ
モヒト・バンドラ(チャールズ・R・ドリュー医科学大学)ダラス・カウボーイズ
マーキーシャ・マイルズ(ミシガン州立大学人間医学部)デトロイト・ライオンズ
リチャード・イングラム(メハリー医科大学)グリーンベイ・パッカーズ
アマンダ・デイビス(テキサス大学ヒューストン健康科学センターマクガバン医科大学)ヒューストン・テキサンズ
エデン・オボメギ(モアハウス医科大学)インディアナポリス・コルツ
シドニー・ウッズ(メハリー医科大学)ジャクソンビル・ジャガーズ
エリザベス・ホームズ(カンザス大学医学部)カンザスシティ・チーフス
ジェマ・ラガスカ(ネバダ大学ラスベガス校カークカーコリアン医学部)ラスベガス・レイダース
マイケル・バハム(カリフォルニア大学アーバイン校医学部)ロサンゼルス・チャージャーズ
ライメル・ブルックス(チャールズ・R・ドリュー医科学大学)ロサンゼルス・ラムズ
アントニオ・ロペス(フロリダ国際大学ハーバート・ヴェルトハイム医科大学)マイアミ・ドルフィンズ
ジェシカ・ネルソン(カンザスシティ大学整骨医学部)ミネソタ・バイキングス
カイラ・コールドウェル(ハワード大学医学部)ニューイングランド・ペイトリオッツ
ラミア・ホール(ルイジアナ州立大学ヘルス・ニューオーリンズ)ニューオーリンズ・セインツ
オースティン・ケアリー(モアハウス医科大学)ニューヨーク・ジャイアンツ
ジョエル・サクリス(トーマス・ジェファーソン大学シドニー・キンメル医科大学)ニューヨーク・ジェッツ
フェイス・ケヒンデ(ピッツバーグ大学医学部)ピッツバーグ・スティーラーズ
ミシェル・シャオ(スタンフォード大学医学部)サンフランシスコ・49ers
デビッド・オーランド(南フロリダ大学モルサニ医科大学)タンパベイ・バッカニアーズ
カラ・フォード(メハリー医科大学)テネシー・タイタンズ
ケイレブ・パリッシュ(ハワード大学医学部)ワシントン・コマンダース

1カ月にわたる研修期間中に、学生たちはNFL選手のケアを見学し、整形外科チームの医師やプライマリ・ケアチームの医師、アスレチックトレーナー、栄養士、メンタルヘルスクリニシャン、ストレングス&コンディショニングコーチ、備品マネジャーなどと共に働き、彼らの指導下でスポーツ医学における医学的知識と患者ケアに触れる。また、学生たちはNFL選手のプレー復帰プロトコルやフィールド上での治療に関する注意事項についても学ぶ。そして、研修終了時には、整形外科やプライマリ・ケアスポーツ医学、アスレチックトレーニングの観点から、NFL選手に提供されているあらゆるケアの基本的要素を理解しているはずだ。

NFLは昨年にこの取り組みをリーグ全体に拡大してから、医師助手や公認アスレチックトレーナー、理学療法士、作業療法士、栄養士、行動医学の臨床医を含む、選手ケアを担当する“チームを支えるチーム”から、さらに多くの専門職や役割をこのプログラムに取り入れるよう働きかけている。また、NFL、NFLPS、PFATSは各クラブと提携し、地域イベントを通じて高校生にスポーツ医学の分野に触れてもらう取り組みも行なっている。

スポーツ医学多様性パイプラインイニシアチブは、リーグ事務局およびNFLクラブのスタッフや指導者が、アメリカの人種および性別の構成を反映したものになるようにするための、リーグの広範な取り組みの一部だ。

【RA】

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