スーパーで無料提供されている「割りばし」を大量に持って帰るのはあり?無料とはいえマナー違反になる…?

無料の割りばしを大量に持って帰るのはマナー違反?

スーパーが提供する無料の割りばしを大量に持って帰るのは、マナー違反と考えることが一般的です。そもそも、スーパーが割りばしを無料で提供するのは、惣菜や弁当を購入した方に対して好意で行っていると考えられます。

そのため、もし店側が「お弁当一点につき一膳まで」や「大量に持ち帰るのはご遠慮ください」などと注意書きをしている場合、客は店側のルールを守る必要があるでしょう。仮に注意書きがない場合でも、常識的な範囲にとどめておいたほうがよいと考えられます。

あまりにも度を超えた量の割りばしを持ち帰る行為は、所有者の意思に反するかたちで他人のものを取得しているとして、「窃盗罪」に該当してしまう可能性もあります。

窃盗罪に該当した場合の罰金はいくら?

窃盗罪に該当してしまった場合、10年以下の懲役または50万円以下の罰金が科される可能性があります。これは、刑法第235条で定められています。

「他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、十年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。」

割りばしの販売価格と比較すると50万円の罰金は非常に重いと考えられます。無料の割りばしを大量に持ち帰ることはリスクが高いといえるかもしれません。

過去には氷を大量に持ち帰ろうとして逮捕された事例も

割りばしではありませんが、過去にはあるスーパーで無料の氷を大量に持ち帰ろうとした男性が窃盗の疑いで逮捕された事例があります。このスーパーでは食品を保存することを目的とした氷を無料で提供し、買い物客であれば2袋まで利用可能としていました。

しかし、この男性は商品を何も買うことなく、持参した袋で12キログラムもの氷を持ち帰ろうとしたところ、現行犯逮捕されたようです。なお、男性は逮捕以前から氷だけを持ち帰り、店長から注意を受けていたものの従わなかったため、通報に至ったとされています。

このように、割りばしに限らず、スーパーが無料で提供しているものを大量に持ち帰ると、逮捕されてしまう可能性もあるのです。

大量かどうかの判断基準は?

大量かどうかの判断基準に絶対的なものはありませんが、まずは店側のルールに従うとよいと考えられます。割りばしであれば「◯膳まで」、氷であれば「◯袋まで」と注意書きされている場合は、そのルールに従うことで大量と判断される可能性は低いはずです。

また、お店のルールが記載されていない場合は、常識の範囲内でおさめるようにするとよいでしょう。例えば、割りばしであれば惣菜や弁当は人数分、ポリ袋であれば購入した商品を入れる分だけなどとすることが一般的です。

迷う場合は、どれくらいの量であれば持ち帰ってよいのかをお店の方に確認すると間違いないでしょう。

一般的に無料の割りばしを大量に持って帰るのはマナー違反と考えられる

一般的に、無料の割りばしを大量に持って帰るのはマナー違反と考えられます。また、氷の事例でもご紹介したように、無料のものを必要以上に持ち帰る行為は場合によっては窃盗罪に該当し、逮捕されてしまう可能性もゼロではありません。

基本的には店側のルールに従い、ルールがない場合は常識の範囲内で利用するとよいと考えられます。また、どのくらい持ち帰ってよいか分からない場合は、お店の方に聞くなどして対処するとよいでしょう。

出典

e-Govポータル 刑法(明治四十年法律第四十五号) 第三十六章 窃盗及び強盗の罪 第二百三十五条(窃盗)

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

© 株式会社ブレイク・フィールド社