35歳独身で貯金が「ゼロ」だという息子。貯蓄のない30代独身の人は多いのでしょうか?

30代の独身で貯蓄がない人の割合

世代ごとの貯蓄割合は、金融広報中央委員会の情報サイト「知るぽると」で確認できます。同サイトの「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査] (令和5年)」によると、単身世帯の30代で金融資産を保有していない方は34%でした。30代で独身の方の多くは、金融資産による貯蓄をしていない結果です。

また、30代の貯蓄額の中央値は100万円、非保有の方の次に多い割合も貯蓄額100万円未満であることから、30代の時点でしっかりと貯蓄をしている方は多くないといえるでしょう。ただし、多くの方が貯蓄をしていないからといって、将来のことを考えると貯蓄をしなくてもいいわけではありません。

可能であれば、老後の生活やけが、病気といった万が一の事態に備えて、ある程度の貯蓄は必要であるといえるでしょう。

貯蓄がないときの対応法

30代から貯蓄を始めるのであれば、まずは目標金額を決めましょう。何歳までにいくら貯める、と具体的な目標を決めると、より貯蓄計画を立てやすくなります。

例えば、35歳の時点で貯蓄が0円の方が、65歳までに1500万円を貯めるとしましょう。もし毎月の貯金により1500万円までを貯めるなら、1年で50万円、1ヶ月だと約4万1667円を貯金に回す必要があります。

しかし、今まで貯金をしてこなかった方にとって、コツコツと貯金をすることは難しいケースもあるでしょう。より効率よく貯蓄を形成するためには、投資を利用する方法も選択肢の一つです。

例えば、金融庁NISA特設ウェブサイト「つみたてシミュレーター」にて、利回り3%で毎月3万円ずつ積み立てると想定した場合、順調にいけば27年1ヶ月で1500万円を超えます。利回りを5%に変更すれば、22年7ヶ月で1500万円を超える計算です。

ただし、投資は必ずしも利益は保証されません。元本割れを起こすリスクがあることも理解することが大切です。

貯蓄するコツ

なかなか貯金するためのお金をねん出できない方は、生活を見直すといいでしょう。無駄な出費を省くことも、貯蓄するためのコツです。

例えば、不要なサブスクリプション契約を解約するだけでも大きな節約になります。月に500円のサブスクリプション契約を3つ解除すると、一年間で1万8000円の節約が可能です。

さらに、水道光熱費も節約しやすい項目といえるでしょう。水道や電気、ガスの使用量を減らせば、それだけ各費用も減らせます。

東京都水道局によると、洗顔や手洗い、はみがきのときなどに水を流しっぱなしにした場合、1分間の使用量目安は12リットルほどのようです。必要なとき以外は水を止めたり、歯磨きにはコップを使ったりなどの方法で5リットルほどの節約になる可能性もあります。

お風呂を使う際はシャワーを流しっぱなしにせずこまめに止めたり節水シャワーヘッドを使用したりすれば、水道代とともにガス代の節約も可能です。また、使用していない部屋の電気を消すように意識すれば、電気代の節約もできます。

少しずつ節約をすることで、余ったお金を貯蓄に回せます。まずは、自分のできる範囲から節約と貯蓄を始めてみましょう。

30代独身で金融資産を保有していない方は34%

金融広報中央委員会の調査結果より、30代の単身世帯で金融資産を持っていない方は34%でした。中央値から考えても、多額の金融資産を持っている方は多くないでしょう。

しかし、将来のために貯蓄をしたいならやはり早いうちに始めた方が余裕をもって貯蓄しやすくなります。より効率よく資産形成をしたい方は、投資の活用も方法の一つです。

また、貯金に回すお金が現時点で工面できないときは、生活費の見直しも必要です。不要な出費を削ると、貯蓄に回すお金ができる可能性があります。

出典

金融広報中央委員会 知るぽると 家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](令和5年) 表番号4
金融庁 NISA特設ウェブサイト つみたてシミュレーター
東京都水道局 くらしと水道 水の上手な使い方

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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