保育士が男児への暴行で逮捕…本誌の昨年調査では「10人に1人」が虐待経験ありと回答「顔から流血させたことも」

画像はイメージです(写真・AC)

6月25日、世田谷区の認可保育園に勤務する佐久間清来容疑者(26)が、男児の髪を強く引っ張るなど暴行の疑いで逮捕された。

佐久間容疑者は、今年5月、男児を蹴ったり、後ろ髪をのけぞるほどの強さで引っ張るなどしたという。手にアザがあることを発見した両親が警視庁に被害を訴えたことで、園内の防犯カメラを確認したところ、暴行の様子が映っていた。きっかけは「おもらし」だったとの報道もある。

取り調べに対し「イライラしていた」と容疑を認めた佐久間容疑者だが、日本テレビの報道によれば、ふだん虐待するような悪い印象はなく、園でのトラブルなども保護者は聞いたことがなかったようだ。

この暴行報道に、Xでは怒りの声があふれている。

《小さな子に暴行が出来る神経が信じられません。ましてや保育園の方が。自分の子供がされたらと思うと。。》

《イライラしたからってよそ様の子供に当たるのは違うでしょ。。防犯カメラあってよかった》

《子供は家に帰っても親にだまってる時もあるし、防犯カメラの記録がなかったらどうなってた?》

「2022年に『こども家庭庁』が全国を対象に調査したところ、不適切な保育の件数が914件確認されました。それにともない、近年では、子どもの様子をリアルタイムで確認できるシステムを導入する園も増えており、保護者が安心して預けられる環境が整えられてきています」(週刊誌記者)

本誌は、2023年、保育士121人に虐待についてアンケート調査をおこなった。すると、およそ10人に1人が虐待経験ありという衝撃の結果が出た。

本誌が当時取材した現役保育士のリアルな声を紹介する。

「私が勤めていた保育園では、 “しつけ” の名目で日常的に虐待がおこなわれていました。園児が片付け忘れたコップで頭を小突いたところを、保護者に目撃されて問題になったことが。

また、言うことを聞かなかった子を担ぎ上げて投げつけ、顔から流血させた事件もありました。いずれも保護者から苦情がありましたが、園長が『熱が入りすぎて、思わず手が出てしまった』などと釈明し、大きな問題にならずじまいでした」(保育士Aさん)

「給食を時間内に食べ終わらなければ部屋の外に出し、床に正座させ、食べ終わるまでそのまま放置するんです。園児がウトウトしだすと、ドアをドンドン叩いて起こし、鬼のお面を見せて『早く食べないとお前を食べるぞ!』と声を低くして脅していました。

口に食べ物がいっぱいに詰まった状態で脅されるので、園児は泣きながら吐き出してしまう。すると、吐いたものを無理やり口に詰め込むんです。とても “しつけ” と呼べるものではありませんでした」(保育士Bさん)

「50人ほどの園児が外で遊ぶのを、一人で見ていなければならないときがありました。そんななか、一人の園児が肩を脱臼する事故が起こりました。私はすぐに気がつかず、あとで主任にひどく叱られました。

でも、園長も主任も、基本的に現場には出ません。慢性的な人手不足のせいで、こうした事故や虐待が起こっても、気づけない状況にあるのです。

さらに、1日12時間以上働いて、月の手取りは約13万円。行事前などは特に忙しくて、先生たちはみんなギスギスしています」(保育士Cさん)

保育士の人手不足が問題となっている昨今、しっかりとした対策が望まれている。

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