国の史跡「斎宮跡」で中学生が発掘体験 郷土の歴史を知る機会を提供 「伊勢神宮と関わりが深い斎宮跡について考えるきっかけに」 三重・多気郡

三重県多気郡にある国が指定した史跡「斎宮跡」で、中学生たちが遺跡の発掘作業を体験しました。

発掘体験の会場となったのは、史跡斎宮跡第207次(1区)発掘調査現場。奈良時代の斎宮の中枢域と考えられる場所として発掘調査が進められていて、2023年度の調査では宮殿の中心的施設“正殿”と推定される建物が見つかっています。

参加したのは同県伊勢市の皇學館中学校の2年生と3年生、33人。当日は発掘体験の他に、土器の接合体験や出土遺物の整理作業の見学なども行われ、生徒たちは「土器の一部が破片ではなく大きな形として発掘できたのでとても楽しかったです」「土器の塗装に草や木を燃やした灰を水に溶かして塗っていることを伺い、昔からの知恵に感銘を受けました」と、貴重な体験を振り返りました。

「斎宮跡」での中学生による発掘体験は今回が初めて。斎宮歴史博物館の担当者によると、博物館を訪れる機会が少ない中学生たちに郷土の歴史を知ってもらう機会を提供したいと、中学生を対象とした発掘体験を企画。伊勢神宮とゆかりのある皇學館中学校に提案したところ、実施に至ったということです。

担当者は「50年以上続く斎宮跡の発掘の歴史に関わったという特別な体験を通して、歴史を明らかにする仕事があるということを知り、伊勢神宮と深い関わりのある斎宮跡について考えるきっかけにしてもらいたい」と話しました。

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