江本孟紀氏、プロ野球の複数年契約制度に改革を提言 「これでいいのかと…」

[MLB同様に日本プロ野球界でも当たり前になった複数年契約。江本孟紀氏はその弊害を指摘する。

野球解説者の江本孟紀氏が、自身のYouTubeチャンネル『エモやんの、人生ふらーりツマミグイ』でNPB球団の複数年契約について語った。

■複数年契約に江本氏が持論

江本氏は選手の複数年契約について「デメリットのほうが多いのではないか?」という見方を示す。

続けて、FA(フリーエージェント)流出の抑止や年俸抑制の効果など、メリットにも言及したうえで、「複数年契約の選手が、バリバリ契約年数を働いたというような印象があまりないですね。大概ちょっとダメになるか成績が落ちるか」と指摘した。

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■「単年のほうがいい」

さらに「それでも複数年だから、3年なら3年。高い年俸の契約をして、そのまま活躍もさほどせずに、お金だけゴッポリもらって野球生活を終わっていく」と江本氏は語る。

続けて「これは今のご時世だからとか、すぐ最近のやつは時代だからとかって言うのと一緒でね、 これでいいのかなというのはありますよね。 やっぱり良いものは良い、悪いものは悪いということで言うと、やっぱり単年のほうがいい」とコメントした。

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■複数年契約のデメリットを指摘

複数年契約の弊害について江本氏は「(単年のほうが)現場の監督とコーチもやりやすいと思うんですね。 どうしても気を遣うんですよ」と話す。

そして「選手が故障したとしても、契約が保障されているため、無理をせず休んでしまうことがある」「監督コーチも『無理して出ろ』とはいいづらい」「単年の選手もいて、複数年契約の選手が高い年俸もらって、のんびり休んでいるのを見ると、選手同士の空気も雰囲気が悪くなる」などと、デメリットを指摘した。

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■制度見直しを提言

江本氏は「そういうこともいろいろ総合してみると、球団がたしかにFAでよそに行かれないために、契約期間も複数にしておけば、そのあいだ動けませんから、多少メリットを考えた複数年契約だとは思いますけどね」と指摘。

そのうえで、「私はやっぱり、もっとシンプルに働いたらガっと上げる。それで1年間ダメだったら下げる。この緊張関係を持つための単年契約で結んでいくべきだ。複数年契約にしても条件を厳しくするべきだと思いますよ。故障で休んだら引きますよとか。そういうことを表に出しながら制度を見直してほしい」と語っていた。

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■複数年契約後成績が落ちるケースも

プロ野球の複数年契約は2000年代から多く見られるようになった。

代表的なところでは、2006年、福岡ソフトバンクホークスの松中信彦選手(当時)が7年5億プラス出来高(推定)で契約。日本プロ野球における大型複数年契約の先駆けだといわれている。

このような契約はおもにFA流出を避けることが目的だが、契約後に成績が落ちる、故障がちになる選手も。それだけに江本氏のように「デメリットが多い」と考える野球関係者も存在する。

■江本氏が複数年契約の制度見直しを提言

(文/Sirabee 編集部・佐藤 俊治)

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