米軍関係の事件事故を沖縄県に通報「常に必要とは考えていない」 外務省報道官、少女への性的暴行事件受け

(資料写真)外務省

 【東京】外務省の小林麻紀外務報道官は26日午後の記者会見で、在沖米空軍兵が16歳未満の少女に性的暴行を加えた不同意性交などの罪で起訴された事件を巡り、沖縄県側に情報を伝えなかったことについて「特に本件のような被害者のプライバシーに関わる事案には、慎重な対応が求められる」とし、「(米軍関係の事件事故が)常に関係各所に漏れなく通報が必要だとは考えていない」との見解を示した。

 小林氏は「事件に関する情報伝達については捜査機関の活動内容に関わる事柄で、外務省から回答は控える」と述べた。

 警察当局は「刑事訴訟法47条の趣旨を踏まえ、個別の事案ごとに公益上の必要性やプライバシーへの影響などを考慮し、公表可否を慎重に判断している」と強調。外務省も「こうした当局の判断を前提に対応している」と説明した。

 那覇地検が米兵を起訴した3月27日、外務省の岡野正敬事務次官はエマニュエル駐日米大使に抗議し、綱紀粛正を求めた。

 一方、玉城デニー知事は、6月25日に報道で事件を把握するまで県側に情報が共有されなかったとして対応を問題視している。

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