菅田将暉や佐藤健が「初々しい!」 母親層もクギヅケ『平成仮面ライダー』伝説の第1話プレイバック

『仮面ライダーWキャラクターブック「悪魔と相乗り」』 (TOKYO NEWS MOOK)

『仮面ライダー』シリーズは、子どもたちだけではなく一緒に視聴するだろう母親層にも大人気だ。その理由の一つに、毎話イケメン俳優たちの熱い演技が見られることが挙げられる。デビュー間もない彼らの演技はまさにフレッシュで、そして『仮面ライダー』シリーズをきっかけに多くの人気俳優が誕生した。

そこで今回は、母親層も釘付けになった人気俳優主演の『仮面ライダー』シリーズ、その第1話を振り返り、それぞれどんな初登場だったのかを見ていきたい。

■悪魔と相乗りする勇気、…あるかな?『仮面ライダーW』菅田将暉

シリーズ初となる、2人の主人公が1人の仮面ライダーへ変身する『仮面ライダーW』。探偵・左翔太郎役の桐山漣さんとともにW主演を果たしたのが、翔太郎の相棒で謎多き少年・フィリップを演じていた菅田将暉さんだ。

本作が俳優デビューとなる菅田さんは当時16歳で、非常に初々しい演技が光る。ちなみに、この16歳という年齢は、現在でも破られていない仮面ライダー主演最年少記録だ。

その第1話「Wの検索/探偵は二人で一人」(2009年9月6日放送)は、“ビギンズナイト(始まりの夜)”と呼ばれる一年前のシーンから始まる。謎のビル施設から、菅田さん演じるフィリップを連れ出そうとする鳴海荘吉と翔太郎だったが、荘吉が敵の銃弾に倒れ、さらには謎の怪人も出現し大ピンチに陥ってしまう。

そんななか、フィリップは翔太郎に「悪魔と相乗りする勇気、…あるかな?」と意味深な問いかけをし、覚悟を決めた翔太郎は、光に包まれ爆炎のなかフィリップとともに仮面ライダーWへと変身する。たった数分のオープニングだったが、ほとんどの視聴者が『仮面ライダーW』という物語に引き込まれてしまった。

そして場面は現在へと戻り、荘吉の娘である亜樹子との出会い、そして、本作初依頼となる行方不明者・戸川陽介の捜索。さらにクライマックスではマグマ・ドーパントとの戦闘があり、体を半分に割ってスライドさせながら放つ“ジョーカーエクストリーム”は、これまで見たことないようなライダーキックで、かなり衝撃の映像だった。

■はじめからクライマックスだぜ!『仮面ライダー電王』佐藤健

平成仮面ライダーシリーズ第8作目『仮面ライダー電王』で、主人公・野上良太郎を演じたのが当時17歳だった佐藤健さんだ。

第1話「俺、参上!」(2007年1月28日放送)では、なぜか自転車ごと木の上に引っかかってしまった状態で初登場した良太郎。その後も街の不良に絡まれボコボコにされるなど、気弱で運の悪い少年だった。その後、本作の変身アイテムである“ライダーパス”を偶然拾ったことをきっかけに、物語がはじまっていく。

その後、本作のヒロインであるハナと出会い、さらには敵である「バットイマジン」が出現。そして「君なら電王になれる」とハナに促されるように仮面ライダー電王に変身した良太郎だったが、このとき変身した姿は“プラットフォーム”という非常に地味なものだった。逃げるだけの仮面ライダーに拍子抜けした視聴者も多かったことだろう。

しかし本作の戦闘はここからが本番だった。「おい 俺に代われ!」と、味方となる“イマジン”のモモタロスが良太郎に憑依し、赤い姿の“ソードフォーム”へとチェンジ。豪快なアクションを見せつけ、さらにはフィニッシュの“俺の必殺技 パート2”が炸裂。これはオーラソードを飛ばし横切りするド派手な技で、本作は第1話からまさにクライマックスのような描写がてんこ盛りだった。

■天ノ川学園高校の全員と友達になる男『仮面ライダーフォーゼ』福士蒼汰

天ノ川学園高等学校を舞台に“仮面ライダー部”の活躍を描いた『仮面ライダーフォーゼ』。シリーズ初の学園青春ドラマとなった本作で主人公・如月弦太朗を演じたのが、福士蒼汰さんだ。

その第1話『青・春・変・身』(2011年9月4日放送)では、短ランにボンタンを身にまとい、リーゼントという昭和時代の不良のような格好で登場。「時間の無駄だ」と言って渡されたラブレターを川へ捨てる歌星賢吾に対して「人からもらった手紙はちゃんと読め!」と迫り、ラブレターを拾うため川へダイブするなど熱い男だ。

その後、幼馴染の城島ユウキとの再会があり、いよいよ本作の怪人第一号・オリオン・ゾディアーツが現れる。生身で戦おうとする弦太朗だったがまったく歯が立たず賢吾に救われる。

再びオリオン・ゾディアーツが姿を現すと、今度はユウキに言われるがままベルトを巻き付け、仮面ライダーフォーゼに変身。「(なんだかわ分かんねぇないけど、)宇宙キターっ!」という本作の決め台詞もこのとき飛び出していた。

本作は企画準備を進めていたところで東日本大震災が発生。「子どもたちをとにかく明るく元気にしたい!」という思いが込められ、作られた作品でもある。それを象徴するかのような非常に明るくテンポの良い、ワクワクするような第1話だった。

■さぁ実験を始めようか!『仮面ライダービルド』犬飼貴丈

最後は、犬飼貴丈さんが仮面ライダービルド・桐生戦兎を演じた『仮面ライダービルド』。その第1話を見ていこう。

第1話「ベストマッチな奴ら」(2017年9月3日放送)に、難問とされる東都先端物質学研究所の採用試験で満点を取ったとして中途採用された自称・天才物理学者として登場した戦兎。

“自称”とするのは彼が記憶を失っていたためだ。僅かに残る記憶のなかにいる“コウモリ男”……その手がかりを探し出すため、戦兎は物理学者として研究する一方で、仮面ライダービルドとして謎の怪人未確認生命体スマッシュと戦っている。

またこの1話には、本作のもう一人の重要人物・赤楚衛二さん演じる万丈龍我も登場していた。格闘家であった龍我は、無実の罪を着せられ投獄。その入れられた刑務所では密かに受刑者を使った人体実験がおこなわれており、龍我はそこから逃走し、戦兎と遭遇することとなる。

そして、二人を阻むかのようにストロングスマッシュが現れ、戦兔は「さぁ、実験を始めようか」と仮面ライダービルド ・ラビットタンクフォームに変身。ストロングスマッシュを倒したが、氷室幻徳が率いる特殊部隊も現れ、戦兔は龍我をバイクに乗せ逃走する。

2つの異なるものの組み合わせ“ベストマッチ”がテーマの本作、その第1話はまさに天才物理学者と脱獄犯というまさに異なるもの同士の出会いから始まっていた。

今回は、人気俳優主演の『仮面ライダー』シリーズ第1話を振り返ってみた。いずれもワクワクするような主人公の登場に、今後が気になるような怒涛の幕開けとなっていた。

そしてそのわずか1話からだけでも、のちにスターとなる俳優たちの才能や魅力を感じることができた。今回紹介した作品は現在、Amazon プライムビデオでも視聴可能だ。この機会にぜひチェックしてみてほしい。

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