スイスのアラン・ベルセ元内相、欧州評議会の事務総長に当選

社会民主党(SP/PS)に属するアラン・ベルセ氏は2012~23年にスイス連邦閣僚を務めた (Keystone / Anthony Anex)

25日に開かれた欧州評議会(本部・仏ストラスブール)総会で、スイスのアラン・ベルセ元内務相(52)が新事務総長に選出された。スイス人が同ポストに就くのは初めて。9月に就任する。

ベルセ氏は火曜日にストラスブールで行われた第2回投票で最多票を獲得した。9月に職務に就く同氏はスイス人として初めてこの職に就くことになる。

評議会のテオドロス・ルソプロス議長によると、第2回投票でベルセ氏は最多の114票を獲得した。対抗馬のインドレク・ザール氏(エストニア)は85票、ディディエ・レインダース氏(ベルギー)は46票だった。有効投票数は計245票だった。

当選後、ベルセ氏は評議会で短い演説を行い、スイスの支援に感謝の意を表した。民主主義、人権、法の支配の重要性も強調した。

欧州評議会は「人権、民主主義、法の支配の守護者」として第二次大戦後の1949年に設立され、スイスは1963年に加盟。現在46カ国が加盟し、総会に代表となる議員を派遣している。

ベルセ氏は9月18日にその第15代事務総長に就任し、欧州評議会の事務局を率いる。現在はクロアチアのマリヤ・ペイチノビッチ・ブリッチ氏が務めている。

スイス外務省によると、同事務局の職員数は約1800人。ベルセ氏は、欧州評議会の閣僚委員会や総会、欧州人権裁判所(ECHR)などさまざまな機関と緊密に連携することになる。

欧州評議会の予算編成にも責任を負う。2024年の予算は約6億2500万ユーロ(約1070億円)。他の機関との対外関係でも代表的役割を担う。

英語からの翻訳:ムートゥ朋子

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