大阪万博、「タイプA」パビリオン、インド、イランなど6カ国が撤退 「タイプX」移行で数十億円の負担増に「始まる前から終わってる」批判殺到

「社会課題解決型」の万博を目指すとした吉村知事

6月25日、大阪・関西万博で、参加国が自前で建設するパビリオン「タイプA」について、インドとイランが、建設を断念した。日本側が建設を代行する簡易な「タイプX」に移行することがわかった。

「タイプA」は「万博の華」と言われ、当初は約60カ国が希望していたが、資材や人件費の高騰で建設業者との契約が難航し、49カ国に。そのうち、約10カ国は建設業者が決まっていないという。

同日、大阪府の吉村洋文知事は、記者会見でこう語った。

「国々によっていろんな事情がある。もちろんAタイプのほうが独自性があって面白く、個性的であることは間違いないが、国の事情でAタイプが難しいのであれば、Xタイプ、Cタイプに移行して、その国の魅力を発信してもらいたい。そのために受け皿を準備している」

タイプAの建設を断念した国に対し、日本国際博覧会協会(万博協会)は、建設予定だった敷地の返却を求める方針だ。吉村知事は、空いたスペースを休憩所や芝生広場として活用する考えを示した。

「Aタイプの返却を受けたところは、今からタイプXとかは作れないから、やるとすれば僕自身は、休憩所、芝生広場にして日よけがつくような休憩所にするのが適切だろうと思っている。今からパビリオンを建てるのはできないので。

今、『休憩場所が不足している』とか、『子供たちの休憩場所も少ないじゃないか』とかいう意見もあるから、子供たちの校外学習の休憩所に率先して使ったらいい」

翌26日、読売新聞が報じたところでは、パキスタン、ナイジェリア、アルメニアの3カ国がタイプAを断念し、タイプCに移行。また、同日の毎日新聞は、イスラエルがタイプAを断念し、タイプCに移行すると報じている。

タイプCは、万博協会が建てたパビリオンの一画を間借りしたスペースに出展する。

万博協会はタイプXを9棟、建設中。関西テレビによると、タイプXの整備費用などは出展する国が負担することになっているが、すべてを回収することは難しく、日本側に数十億円の費用負担が生じる見通し。会場建設費の予備費130億円から捻出する案が浮上しているという。

「万博の華」とされるタイプAが45カ国まで減ったうえ、日本側に数十億円の費用負担が生じることに、Xでは批判的な声が殺到している。

《アルゼンチン、アルメニア、イラン、インドと皆自前パビリオン断念を表明。始まる前から万博は終わっている…》

《どこの国も、手を引く理由を探して居た様だね。こんな中途半端な万博に、果たして見に来る人がどれほど居るのかな?》

《もう無理。万博協会、大阪府市、日本政府、もうあきらめてください。早く中止決定を》

万博の運営費1160億円は、主に入場券の売り上げ収入でまかなう予定で、赤字になった場合にどこが負担するかも決まっていない。タイプAのパビリオンがどんどん少なくなるなか、販売目標の2300万枚もの入場券を、売りさばくことができるのだろうか。

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