「どんな役割だって受け入れる」“元ドラ1”ウォールがNBA復帰に強い覚悟「とにかく俺はNBAのジャージーを着たいんだ」<DUNKSHOOT>

6月24日(日本時間25日、日付は以下同)、ロサンゼルス・クリッパーズのポール・ジョージが、自身のポッドキャスト番組『Podcast P with Paul George』の最新エピソードを公開した。

スタジオにはデンバー・ナゲッツのディアンドレ・ジョーダン、リモートではジョン・ウォールが出演。2010年のドラフト1位でワシントン・ウィザーズに指名されてNBAデビューを飾った191㎝・95㎏のポイントガードは、昨季はどのチームとも契約せず、無所属のままシーズンを終えた。

ウォールはNBA11年間で平均18.7点、4.2リバウンド、8.9アシストをマーク。2022-23シーズンはクリッパーズでジョージと共演し、34試合(先発3試合)で平均11.4点、2.7リバウンド、5.2アシストをあげたが、2023年2月9日にトレードでヒューストン・ロケッツに放出され、3日後にウェイブ(保有権放棄)されていた。

今年9月に34歳を迎えるウォールは、これまで左かかとにある踵骨棘(しょうこっきょく)の修復手術やアキレス腱断裂の大ケガを経験。故障と加齢によって最大の強みである身体能力に陰りが見え、輝きは失われつつある。

それでもウォールはNBAで再びプレーすることを目標に掲げている。

「自分にとって、ゲームがどれほど重要なのかはわかっている。俺はそのゲームに戻りたいんだ。これまでオールスターだったし、フランチャイズプレーヤーを務めたことだってあった。タフな旅路になっているけど、俺にとって最も重要なのは健康体でいられるかだ。
今では若手を多く抱えるチームが山ほどあって、そこにはベテランがあまりいないんだ。そういったチームこそ、ロッカールームでベテランを必要としていると思う。それが欠けている部分だ。俺は(NBA)チームの一員になれるなら、どんな役割だって受け入れるよ。プレーするかどうかに限らず、(元マイアミ・ヒートの)ユドニス・ハズレムの役割でも何だっていい。とにかく俺はNBAのジャージーを着たいんだ。それだけゲームが大事だし、自分にはまだまだできると感じている。チームを助けられるんなら、俺はコーチだろうがメンターであろうが、その役割を受け入れるよ」

ウォールはこれまでウィザーズ、ロケッツ、クリッパーズと3チームに在籍。ウィザーズ時代は先発ポイントガードを務めたが、ケガの影響やチーム事情によってロケッツ在籍時の2021-22シーズンは出場なし、クリッパーズではベンチスタートも味わった。

不動の先発からローテーション外、ベンチ出場、そして無所属と様々な経験を積んだ今だからこそ、ウォールはNBAチームの一員として貢献できることがあると感じているのだろう。

文●秋山裕之(フリーライター)

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