外国人襲撃事件が相次ぐ……中国は「安全な国」なのか?

中国・江蘇省蘇州市で日本人母子が襲撃された事件をめぐり、中国は安全な国かという議論が巻き起こっている。

中国・江蘇省蘇州市で日本人母子が襲撃された事件をめぐり、中国は安全な国かという議論が巻き起こっている。

蘇州市で24日、スクールバスを待っていた日本人の母親と子どもが男に刃物で切り付けられ負傷した。2人はいずれも命に別状はないという。また、止めに入って切り付けられたバス案内係の中国人女性は重体となっている。この事件では、52歳の男がすでに拘束されている。

25日の記者会見で事件について問われた中国外交部の毛寧(マオ・ニン)報道官は「このようなことが発生したことを遺憾に思う」と述べた上で、「私が知る限り、警察はこの事件を偶発的な事件であると初期段階で判断している。私が言いたいのは、こうした偶発的な事件は世界のどの国でも起こりえるものであり、中国側は中国国民を守るのと同じように外国人の安全を守る」と強調した。

なお、今月10日に吉林省で米大学教員らが刃物で襲われる事件が起きた際にも、中国外交部の林剣(リン・ジエン)報道官が「独立した偶発的な事件と判断している」と発言、「中国は世界で最も安全な国の一つと広く認識されている」と主張していた。

一連の事件をめぐっては日本のみならず中国でも「中国は果たして安全な国か」という議論が起こっているが、中国のSNS・微博(ウェイボー)で300万超のフォロワーを持つブロガーはこれに否定的な見方を示している。

同ブロガーは「日本の(安倍晋三)元首相が街で銃殺されたことは、日本が安全でないことを表しているのか?米国の大統領が街で頭を吹き飛ばされたのは、米国が安全でないことを表しているのか?」と反問した上で、「中国で、クズによる社会への報復によって外国人が襲われたことは、中国が安全でないことを表しているのか?前者2つは国のトップが殺害されているにもかかわらず(その国は)安全だと思われ、人々が殺到している。なぜ中国で数人の外国人が襲撃事件に遭遇したからといって、中国が安全でないことになるのか」と疑問を呈した。

ネットユーザーからも同調する声が多く、「その通り」「国のトップが殺害される国に比べれば、中国の方がずっと安全だと思う」「日本で中国人が日本人に殺害される事件だって起きている」「中国は何でも完璧にしなければだめだということか?」などと訴える声が寄せられている。(翻訳・編集/北田)

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