【73歳人気YouTuberに聞く】夏の車中泊成功の秘訣「快適な寝床環境」を作るポイントは通気にあり

ウィンピージジイさんの考える、車中泊のポイントとは?(撮影:後藤武久)

60歳でYouTubeチャンネルをスタートし、73歳となった現在、27万人ものフォロワーを持つまでになったwinpy-jijii(ウィンピージジイ)さん。

1月に発売した最新著『いくつになっても遊び続ける ジジイのアウトドア大全』(KADOKAWA刊)では、「遊びに妥協はしない」、「悩むところはとことん納得がいくまで考える」と説く彼に、人気コンテンツの1つである車中泊について、お話を伺いました。

■車中泊を成功させるコツは「寝床」にあり

最近はキャンプより、もっぱら車中泊派だというwinpy-jijiiさん

車中泊に必要な道具を解説した動画は、私のYouTubeチャンネルでも人気コンテンツの1つ。

初めに作ったのはコロナ禍の最中で、三密を避けられる遊びとしてアウトドアや車中泊がブームになってきた頃でした。ネットで取り上げられたり、取材されたりしたのがきっかけで、初心者の役に立つかもしれないと考えたものです。

車中泊で大切なのは、快適に寝られる環境作りです。自分なりの快適空間を作る手段と寝袋やマット、サンシェードのような6つの重要アイテムについて解説して、プラスアルファで扇風機とヒーターも紹介しました。

動画を作った時はNバンに乗っていました。使っている道具や考え方は今もほとんど同じですが、ボンゴになって大きく変わったのが寝具です。軽自動車のNバンは車内が狭いので、封筒型シュラフのような収納サイズが大きいものは避けていましたが、ボンゴはそれほど気を使わなくてもよくなりました。冬場は、今は自宅で使っている羽毛布団をそのまま持っていっています。

■夏の車中泊は、通気と場所選びが大事

この動画では紹介していませんが、過去にリアゲートを少し開けた状態で固定できる金具を作ったことがあります。丸カンボルトとロングナットを組み合わせるだけの、ハイエースなどに乗っている職人さんがよくやっている方法ですが、そこにひと工夫加えました。この金具やプラスアルファで紹介した扇風機は、夏場の車中泊を快適にするものですが、実際には、夏場は標高が高い涼しい場所を狙っていくことが多いです。

冬場は動画で紹介したヒーターを使ったこたつや、羽毛布団と電気毛布を組み合わせて使っています。ポータブル電源は、今や車中泊の必需品といってもいいでしょう。キャンピングカーならインバーターとサブバッテリーの組み合わせが理想ですが、知識がなくて自作できなかったのとポータブル電源をすでに持っていたので、それをそのまま使っています。今のところ不具合はなく、とても快適です。

■ポータブル電源は、大容量タイプがおすすめ

初めて車を持った頃からなので、車中泊歴は50年以上になりました。これまでトラブルらしいトラブルはありませんが、北海道旅行中にポータブル電源の残量が初めてゼロになったことがあります。

富良野あたりにいた時のことです。食事をしてから道の駅に着いて、そろそろ仮眠しようかという時に冷蔵庫が冷えていないのに気がつきました。バッテリーを見ると残量がゼロになっていて、これはよくないなぁと。すでに夜の10時を回っていましたが、気になったままでは寝られないので、そこから2時間ほど走って充電しました。北海道は信号も少ないので一般道でも快適に移動できますが、この時は夜だったし、土地勘がなくて道もよくわからなかったので高速道路を使いました。充電のために、思わぬ出費です。

1、2泊程度なら充電なしでも賄える大容量タイプを愛用

不注意でそんなことはありましたが、ポータブル電源は本当に扱いが簡単なので、車中泊やキャンプが好きなら持っていて損はありません。これから購入する人には、大手メーカーの容量が大きいものをおすすめします。意外と値が張るので躊躇しますが、聞いたこともないようなメーカーの安価なモデルのなかには、中古のバッテリーを使っているものもあるという噂話を聞いたこともあります。容量は使用する電化製品の消費電力をカバーできればいいのですが、一酸化炭素中毒の心配がないIHヒーターなどはやはり便利です。大容量のバッテリーなら、そうした消費電力が大きい家電も気兼ねなく使えます

© 株式会社双葉社