パリオリンピック・レスリング日本代表 櫻井つぐみ選手と清岡幸大郎選手の素顔【高知】

パリオリンピックの開幕まであと1か月となりました。高知県勢ではレスリングの櫻井つぐみ選手と清岡幸大郎選手が出場します。今回はメダルが期待されるオリンピアン2人の素顔に迫ります。

レスリング女子57キロ級日本代表、香南市出身の櫻井つぐみ選手(22歳)。相手の片腕を両手でつかみバランスを崩す「腕取り」と呼ばれる得意技と最後の1秒まであきらめない粘り強さでパリで頂点に挑みます。

櫻井選手

「オリンピックでは絶対、優勝できるようにいまの練習でやっていることをしっかり出して、優勝できるように頑張りたい」

一方、レスリング男子フリースタイル65キロ級日本代表・高知市出身の清岡幸大郎選手(23歳)。持ち味は、無尽蔵のスタミナと目にも止まらぬスピードで襲いかかるタックル。豊富な攻めの形で金メダルを狙います。

清岡選手

「必ず金をとって帰って来る。自信はある。一番良い状態で臨んで必ず勝って帰ってきたい」

オリンピックのレスリング出場は県勢初の快挙。その快挙を成し遂げた2人は高知市の高知南高校の同級生で3歳の頃から同じ高知レスリングクラブで切磋琢磨してきた幼なじみなんです。

7月26日のパリオリンピック開会式まであと1か月の特別企画。メダルが期待される20代の若きオリンピアンの素顔に迫ります。

去年12月、高知放送は当時、大学生の櫻井つぐみ選手を取材しました。ほぼ毎朝6時半から始まるハードな練習をこなした後、訪れたのは櫻井選手の学生寮なんですが。

大事にしているお宝を見せてもらいました。

櫻井選手

「あいみょん好きで、あいみょんの冊子がいっぱいある。あと、田中圭も好きもある。あいみょんずっと好きで高校くらいから友達とずっと聞いて歌っていた。声も良いし歌も良くて好きで、一回ライブ行ったけど、もっと好きになった」

櫻井選手が愛してやまないのがシンガーソングライターの「あいみょん」さん。ハードなトレーニングに耐えるための彼女の癒しです。オフの日は外に遊びに行ったり漫画を読んだり、ドラマを見たりして過ごしているということでした。

櫻井選手

「この前のもう一個前のオフはディズニーランドに高校の友達が会いに来てくれていたので、一緒に行ってた。逆に一日歩いたら疲れた」

当時、大学生らしい一面を見せてくれました。

5月、練習のために高知に帰省した櫻井選手が訪れたのが高知市介良にある川添鍼灸接骨院。高校2年生の時から通っている接骨院です。

壁には櫻井選手のこれまでの活躍を書いた新聞が一面に張られています。BGMは大好きなあいみょんさんの曲です。

川添直院長

「オリンピックにつぐみさんも幸大郎くんも二人、出るというのは感慨深いものがある」

櫻井選手

「すごく応援してくれているので、オリンピックでは絶対優勝して金メダル見せに来たいと思うし、応援してもらえて本当にうれしい」

一方、神奈川県でトレーニングに励む清岡幸大郎選手の自宅では朝のトレーニングを終えて、昼食を準備していました。作っていたのが豚肉ともやしなどの野菜をゆでた料理です。味の決め手は地元高知のユズ。特別な味です。

清岡選手のお気に入りのリラックス方法がコーヒーです。豆を丁寧に挽いた後ゆっくりとお湯を注いで本格的に作ります。

櫻井選手

「こういう時間が良い。ゆっくりじっとしている時間が。タイプ的にもせわしく動いていたい方なので、たまにこうゆっくりコーヒー飲んだり、夜とか今はすごく涼しいので散歩にいったりとか」

自宅のベランダにイスと机を出してアウトドア気分で至福のひと時を楽しむということです。

6月、高知市の実家に帰省した清岡選手。

清岡選手の父・義雅さんは2022年12月、この世を去りました。47歳でした。

清岡選手

「すごく久しぶりに帰ってきてのあいさつだったのでオリンピックを決めたことであったり、新社会人として新しい企業でレスリングを新鮮な気持ちでやっているよというのであったり、オリンピックでの抱負を伝えた。金メダルを見せてあげたいし、一番近くで見てくれていると思うので、表彰台に立った時の景色を一番、いい場所で一番高い位置の景色を一緒に見れたら良いなと思う」

妹のもえさん(20歳)もレスリング選手で櫻井つぐみ選手と同じ群馬の育英大学に進学しました。5月、東京で行われたプレーオフを制し、10月に行われる非オリンピック階級世界選手権・日本代表の出場権を獲得しています。

もえさんにとって兄はどんな存在なのでしょうか?

もえさん

「意外と優しくてレスリング面ではすごく尊敬できる一人のアスリートとして尊敬できる人」

もえさんにとって兄はとても頼りになる存在です。

しかし、もえさんには一つ幸大郎さんに、思うところがあるといいます。

もえさん

「とりあえず髪の毛がちりちりすぎる。(傷んで)ブロッコリーみたいじゃないですか?」

でも実は幸大郎さんこだわりの髪型なんです。

清岡選手

「印象に残る髪型にしておきたいなと。今はまだちょっと甘いけど。パリに向けて計画中。何ににしようかなと。でもあんまり奇抜なのやりすぎるとまた注意が入る、すぐ」

6月、高知で開かれた五輪壮行会のあと2人は練習や大会への参加のため、その日の最終便に乗り群馬と神奈川へ。

空港には、櫻井さん一家と清岡さん一家の姿がありました。

幼なじみで、レスリングをずっと続けている2人。みんな気ごころの知れた間柄です。オリンピックという世界の最高峰に挑む2人をサポートしてきたそれぞれの家族。優しく暖かく2人を送り出しました。

3歳の時から同じレスリングクラブに所属し切磋琢磨してきた2人。優しい素顔に秘められた闘志を燃やして8月、パリの舞台で世界の頂点に挑みます。

パリオリンピックの開会式は1か月後の7月26日に行われ開幕します。このうちレスリングは櫻井つぐみ選手が8月8日に初戦を迎え、清岡幸大郎選手の初戦は8月10日となっています。

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