【経過表】沖縄の米兵、少女への不同意性交罪で起訴 わいせつ目的誘拐罪も 外務省、3カ月県に連絡せず

米空軍兵長を起訴した那覇地検

 2023年12月、県内に住む16歳未満の少女を車で自宅に連れ去り、同意なくわいせつな行為をしたなどとしてわいせつ誘拐、不同意性交の罪で、米国籍で米空軍兵長の男(25)を那覇地検が起訴していたことが25日、分かった。地検や県警への取材で判明した。

 外務省は起訴を把握しながら約3カ月、県側に伝えていなかった。玉城デニー知事は同日、事件の発生に「女性の尊厳を踏みにじるものだ」と強い憤りを示した上で、外務省の対応を「著しく不信を招くものでしかない」と批判した。起訴は3月27日付。

 県警が米側の捜査機関と連携して捜査し、3月11日にわいせつ誘拐と不同意性交の両容疑で在宅で書類送検した。地検が同27日に両罪で起訴し、被告の米兵の身柄を拘束した。複数の関係者によると、米兵は米軍嘉手納基地所属とみられる。

 県警と地検は、米兵が7月12日に那覇地裁での初公判を控えていることを理由に認否を明らかにしていない。一方、捜査関係者によると、調べに性的な行為をしたことを認めているという。

 県警と地検は事案について県には通知していなかった。外務省によると、同省が事案を把握したのは地検の起訴前で、起訴当日に同省はエマニュエル駐日米大使に抗議した。外務省は県に情報を共有していなかった。

 地検は那覇地裁が初公判の期日を設定後に報道陣の要請を受けて起訴状を交付し、事件が明らかになった。

 起訴状によると被告の米兵は23年12月24日、本島中部の公園で少女を「寒いから、車の中で話さない」などと自身の車に誘い込んだ。車内で「一回、自分の家、見てみる」などと述べるなどしてわいせつの目的で自宅まで誘拐した。少女が16歳未満であることを知りながら、暴行を加えて同意のない性交に及んだとしている。

 県警と地検によると、23年12月24日、帰宅した少女から事情を聞いた少女の関係者が110番通報した。少女と男に面識はなく、少女にけがはない。

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