『甲山事件』冤罪被害者 学生らを前に講演「警察権力は絶大。間違って遂行すると冤罪が生まれる」

50年前に起きた、兵庫県西宮市の障害者施設の浄化槽で、園児の遺体がみつかった、いわゆる「甲山事件」で、冤罪被害にあった女性が、大学で講演を行いました。

26日午後、龍谷大学の学生およそ150人の前で講演を行ったのは、「甲山事件」で冤罪の被害にあった山田悦子さん(72)です。

【山田悦子さん(72)】「誰も、自分が冤罪者になるなんて思って生きてるわけじゃない。普通に暮らしてる私もそうでした。それがある日突然、でっち上げられてしまったんです」

いまから50年前、兵庫県西宮市の、知的障害者施設「甲山学園」で、浄化槽の中から、男の子の遺体が見つかりました。

当時、保育士として当直をしていた山田さんが、殺人の罪で逮捕・起訴され、裁判は、無罪判決から、差し戻しを経て、また無罪判決という異例の展開に。

3回目の無罪判決でようやく確定しましたが、無実が認められるまで、20年あまりかかりました。

【山田悦子さん(72)】「警察が殺人事件と打ち出し、犯人逮捕という方向を打ち出せば、必ず誰かが逮捕されます。警察権力はそれほど絶大なる力。正しく遂行すれば問題がないんですけど、間違った権力を遂行すると、冤罪っていう不幸が生まれます」

山田さんは、いまだに冤罪事件が後を絶たないことにふれ、自分の人権を守るために法をしっかり学んでほしいと学生たちに訴えました。

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