就任から1年 青森県の宮下知事に聞く① 「県政が直面する重要課題」

宮下知事は29日に就任1年を迎えます。2回にわたり特集でお伝えします。1回目は、これまでの1年と青森県政が直面する重要課題について聞きました。

2023年6月の初登庁から1年、多忙な日々が続く宮下知事。

【澤田愛美アナウンサー】
「間もなく知事就任1年となりますけれども、まずはこの1年振り返っていかがでしたか」

【宮下知事】
「本当に青森県の課題の本質に迫った1年だったと思っていて、いろいろなことがスタートできたと思っています。ただ自分自身としては、行政はどうしても年単位になるので、1年に1回政策をつくってそれを実現していくとすると、どうしても遅くなってしまうので、1年に1回という政策サイクルを半年に1回とか毎月とかのように素早くしていけるようにしていきたいと思っています」

【澤田愛美アナウンサー】
「さらにスピード感を上げていく」

【宮下知事】
「世の中のスピードが速いから、行政もついていくだけでは駄目で、追い越していって先回りしていかないといけないと思っていて、もっともっとスピード感を上げていきたい」

【澤田愛美アナウンサー】
「では、県の課題について伺っていきたいのですけれども」

青森県の推計人口は2023年、120万人を割り込み、この1年間ではおよそ2万人が減少した形です。

【澤田愛美アナウンサー】
「5月時点で117万人ほどとなっていて、これは想定以上の減少なのでしょうか」

【宮下知事】
「人口減少は、想定の範囲内で人口はこれからも減ります」
「ただやらなければいけないことは2つあって、1つは『社会減』を止める。つまり若い人たちが青森県で就職ができて、仕事ができて家庭を営むことができること」
「もう一つは『自然増』を増やしましょう、これが合計特殊出生率ということになりますが、これが2にいかない限りは、人は絶対に増えないので」
「果てしない政策というか粘り強い取り組みが必要な状況だと思うのですが、そういうことをやっていかない限り、青森県は本当になくなるので、これはなんとかしなければいけない、皆でやらなきゃいけない」

県内の合計特殊出生率は、低下傾向が続き、少子化の進行に歯止めがかかっていません。

そこで県は、合計特殊出生率の向上につなげようと、7月から不妊治療を実質無償化する事業をスタートさせます。

【宮下知事】
「全国初だし、そういう意味では、子どもを持ちたいという方がなかなかチャレンジができない環境、経済的な負担でできなかったということを考えていくと、そういう障害を取り払って、少しでもたくさん子どもたちが生まれる環境をつくるのが大事なことだと思っています」

そして、もう1つ。実現すれば全国初となるのが、全県レベルでの給食費の無償化です。

【澤田愛美アナウンサー】
「給食費の無償化もあると思うのですけれども、これは10月にできそうですか?」

【宮下知事】
「それは実現します。これは本当に県だけではなくて、市町村の力でやっていただいているところもありますし、県で出した部分で足りない部分は市町村がフォローしている部分もありますので、これは私の実績ではなくて、県と市町村が一緒にやった政策としてぜひ県民の皆様には覚えておいていただきたいと思います」

【澤田愛美アナウンサー】
「既に給食費を無償化している自治体に関しては、8割の費用のサポートということなんですけれども、これに対して意見があるような市町村長もいらっしゃいますが、それに対しては」

【宮下知事】
「私はどちらかというと、県民目線で県民の方々を向いて仕事をしていますので、市町村長との関係は私自身の責任として、これからもしっかりと説明を尽くしていきたいと思いますし、給食費以外の部分は8割負担でお願いしますということについては、これからの説明で、市町村長の皆さんにしっかり理解していただきたいと思っています」

また、県民の命と暮らしに関わる課題についても聞きました。

【澤田愛美アナウンサー】
「そして県民の関心事として、統合新病院の整備場所も挙がってくると思うのですけれども」

【宮下知事】
「議論がオープンになる過程の中でいろんな意見が出てくると思っています。それをしっかりと私自身が最終的に受け止めて決めていくようにしたいと思いますし、何とか8月までに決着をつけていきたいと思います」

一方、いつ起きてもおかしくない大災害への備えも重要です。

【澤田愛美アナウンサー】
「今年度中に40市町村が参加するという防災訓練を実施すると伺いましたが、これに関してはいかがでしょうか」

【宮下知事】
「40市町村が参加するだけではなくて、多くの県民の皆様に参画していただけるような防災訓練をやりたいと思っていて、11月になると思うのですが、防災ウイークのような形で自助・共助・公助を考え直すきっかけ、見つめ直すきっかけ、そして準備するきっかけづくりをしていきたいと思っています」

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