いわき繁華街火災から1カ月(福島)

いわき駅前の繁華街で起きた火災から、26日で1カ月です。

支援の動きが広がる中、がれきが手つかずの現状に、周辺では客足が減る飲食店もあり、影響の長期化が心配されています。

【根本晃希記者】

「1カ月たっても現場周辺では、まだ少し焦げ臭いにおいが残されています。そして、ほとんどのがれきは手つかずのままです。」

5月26日、いわき市中心部の繁華街で起きた火災。

飲食店から出た火は建物13棟を焼き、消し止められるまで約11時間半を要しました。

市民からは「残念ですよね。再開がちょっとなかなか難しいでしょうから。」「ただ大変ですね。片付けがなかなか出来ないっていうことはね。」との声が聞かれました。

焼け跡のすぐ近くで営業を続ける飲食店、三代目源太。

木造の店舗は被害を免れたものの、火の手はビル2棟を隔てたところまで迫りました。

社長の遠藤純一さんは「近所のみなさんが被害に遭われたことが、すごく胸が痛くなる状況ですね。」と話します。

この1ヵ月の間に、同じ地区の商店会の呼び掛けで、焼けた店の再建や復旧に役立てるための募金箱が10カ所以上に置かれるなど、支援の動きも広がりました。

ただ、火災直後には客足が落ち込み、店の売り上げは約3割減少。

少しずつ回復はしているものの、近所の店でも客が減ったと聞き、飲食店街全体の衰退を心配しています。

遠藤さんは「活気は無くなってますね正直。火事になってからそのままの状態ですので、その辺の早く復興も含めて、整地していただきたいなと思いますね。」とも話します。

復興に向けては、がれきの撤去が課題ですが、市によりますと民間が所有する建物のがれきの撤去や解体は公費では出来ません。

地権者や建物の所有者が多く、さらに一部は連絡もとれない状態のため、がれき撤去に向けた合意形成にも時間がかかる見通しです。

いわき市の内田広之市長は「まずは田町への人流をしっかり回復させて、そのうえで夏のイベントをしっかり盛り上げていきたいと考えております。」と述べました。

市は撤去に着手できるのは、早くても8月末になると見込んでいて、今後厳しさを増す暑さで悪臭の発生なども心配されています。

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