2024年も“暑い夏”に…理由は「2枚の布団をかけたような」高気圧の張り出し 最新の3か月予報発表、西日本では雨が多く

気象庁は6月25日、最新の“3か月予報”を発表しました。今回予報されるのは、7月から9月にかけての3か月で、今年の夏の傾向を知ることができそうです。今年はいったいどんな夏になるのでしょうか。

まずは平均気温ですが、全国的に平年よりも気温が高くなる予想で、今年も暑い夏となるでしょう。去年は観測史上最も暑い夏となりましたが、今年も同じくらい暑い夏になる可能性がありそうです。

より詳しく見ると、暑さのピークである8月は、関東甲信・北陸・東海地方で特に平年よりも高くなる確率が高く、局地的には40℃を超える“猛烈な暑さ”となるおそれもあります。

降水量は西日本で平年よりも多くなる可能性が高いでしょう。また、1か月予報や3か月予報といった長期予報では、突発的な現象である台風を考慮していないので、台風が発生し接近・上陸することがあれば、より降水量は増えます。梅雨の時期はまだまだ続きますが、梅雨が明けても雨への警戒は緩めることはできなさそうです。

一方で、関東甲信・北陸・東海地方では8月の気温が高くなるとともに、降水量は平年より少なくなる可能性があります。晴れる日が多くなることで去年のように水不足になることが懸念されます。雨が降ることによる災害にも注意が必要ですが、少雨による渇水にも目を向けておきましょう。

なぜ今年も暑い夏になるのでしょうか。カギを握るのは太平洋高気圧とチベット高気圧です。

夏になると勢力を強める太平洋高気圧とチベット高気圧ですが、今年は共に日本列島に向けての張り出しが強くなりそうです。太平洋高気圧は平年より北西へ張り出し、チベット高気圧は北東へ張り出すことで、日本列島には2枚の掛け布団をかけられたような状態となります。暑い夏になるときは、大抵この2つの高気圧の勢力が強く、それぞれが日本列島に重なっています。

また、高気圧は時計回りの回転を持っているので、高気圧の縁に沿って空気が噴出していますが、今年は太平洋高気圧が北西に張り出すことで、縁を回る暖かく湿った空気が西日本に流れ込みやすくなる見込みです。その結果、湿った空気の影響を受ける西日本で降水量が多く、高気圧が張り出して覆われる関東甲信や北陸・東海地方では晴れて降水量が少なくなります。

夏は雨も多く、気温も高いので、気象の面では気を付けることが多くあります。最新の情報をこまめに確認することも大事ですが、長期予報を見て今後の傾向を“先取り”することで、より隙のない備えを進めておきましょう。(気象予報士・東杜和)

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