再開発が進み大型施設開業が相次ぐJR仙台駅東口 地域との連携でさらなるにぎわいを

かつては駅裏と呼ばれた仙台駅東口エリアは、ヨドバシ仙台第1ビルなど大型施設の開業が相次ぐなど再開発が進み新たなにぎわいが生まれています。

JR仙台駅東口に2023年6月にオープンしたヨドバシ仙台第1ビルは、東北最大級の家電量販店や衣料品などのテナントが入居する複合商業ビルで、開業から1年を迎えました。管理事務所によると、6月の1日平均来店客は平日が1万6000人、土日は3万3000人ほどです。東北初出店の飲食店なども充実していて、連日多くの人でにぎわっています。

「買い物ついでにそのまま子どもたちとご飯食べて帰ろうと。駅構内からすぐ近くにこういうお店があるのは子連れ、ファミリー層として助かります」「出張の方がいて、すぐ新幹線に乗れるということでこの店にしました。時間ぎりぎりまで飲んですぐ(新幹線に)乗れるっていうのはすごく良いと思います」

オープン1年経過

野口ちひろアナウンサー「ヨドバシ仙台第2ビルにオープンしたスーパー、ロピアです。平日の午前中にもかかわらず、多くのお客さんでにぎわっています」
第1ビルの向かい側にある第2ビルに2023年8月にオープンした食品スーパー、ロピアは国の内外に97店舗を展開し東北での出店は初めてです。

旬の野菜や果物、鮮魚の他、大振りのネタが乗った寿司や店内で調理した出来立ての惣菜などコスパ抜群の商品を豊富に取りそろえています。
買い物客「お寿司のボリュームがすごく、安いじゃないですか。駅の中なので来やすいっていうか、なので10回以上は来ています」「月に3回から4回は来ます。牛肉おいしいですよね、安いし。ついつい大量買いしちゃいます」

1971年に精肉店として創業したロピアの1番の強みは、精肉です。仙台牛など宮城県産にこだわった商品が並びます。
ロピア仙台ヨドバシ店精肉部チーフ「仙台市場で和牛を1頭買いしていて、1頭さばける技術があるので高品質低価格で販売することが可能です。他店にはない希少部位も品ぞろえできるので、牛の頭から尻尾まで販売できるところが強みかなと思います」

仙台駅東口周辺の再開発に伴いマンションなどの住宅が急増したことから、住民や通勤客から出店が望まれていたスーパーは集客力絶大です。
ロピア仙台ヨドバシ店店長「開店から大変多くのお客さまにご支持いただいておりまして、どんどんお客さまが増えていっている状況でございます。特に楽天イーグルスのホームゲーム開催日は、お客さまの入り方が非常に増えてきています」

ニーズに応えオープン

かつては駅裏と言われれていた仙台駅東口は、大きなビルやマンションが少なく発展する西口との格差が指摘されていました。
しかし、JR仙石線の地下化や楽天イーグルスのホームタウン化などによって再開発が進み、その風景は大きく様変わりしました。

仙台駅東口近くの酒屋、櫻井商店はこの場所に店を構えて40年以上になりますがにぎわいの増加を実感しています。
櫻井商店櫻井栄太郎代表取締役「ヨドバシさんも2023年に開発で新しくビルが建ったので、そこから爆発的に人が増えたかなというのは感じていますね。(店で)休憩していくお客さんとか買い物、見て行く方とかが増えましたね」

仙台市などが5月に行った調査によると、仙台駅東口周辺の通行量は新型コロナ感染拡大前の2019年と比べて1割以上増加しました。
櫻井商店櫻井栄太郎代表取締役「前は単身の方とかサラリーマン、あとは学生さんですけど、今は家族や女性の通行が圧倒的に多くなったのかな」

こうした人の流れの変化について、七十七リサーチ&コンサルティングの田口庸友主席エコノミストは、相次ぐ集客施設の開業の効果とした上で、こう指摘します。
七十七リサーチ&コンサルティング田口庸友主席エコノミスト「仙台駅周辺の人流自体は大幅に増えているんですが、狭い地域にとどまっていて広がりが十分ではないという問題があると思います」

地域連携がポイント

1月時点の公示地価では、宮城県の商業地の上昇率トップ3を占めた仙台駅東口エリアですが、
ポテンシャルの高さがうかがえる一方で、建築費の上昇や人手不足により出店のハードルが上がっています。
七十七リサーチ&コンサルティング田口庸友主席エコノミスト「例えばもう1つ大きな核となるような集客施設ができたりということが必要なので、ヨドバシやロピアといった集客施設と地元が連携して人の流れを作っていったりすると、おのずと人口が多ければ成り立つような飲食店などが増えていくということがあると思いますので、連携がポイントになるのかなと思います」

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