「おにぎり」がピンチ?コメとノリが高騰

食品の値上げが相次ぐ中、広島市内にある激安がウリの食品スーパー「たかもり宇品本店」には少しでも家計を守ろうと連日、多くの客が訪れています。しかし、そんな激安スーパーにも、ある異変が…

たかもりの伊木英人 副社長は「去年の米を売っている状態で、この時期にこれだけ値段が上がるのは経験がない」と話します。全国の米の在庫量を見ると4月は180トン。2023年と比べ39トン減少しています。これに伴い、5月の価格は60キロ当たり1万5500円余りと、2023年に比べ12%上昇するなどしています。

なぜ、コメの価格が上がっているのか?県北の農家、ライスファーム藤原の藤原博已 社長は「インバウンドで外国の方が日本食を食べるというのも影響してるでしょうけど、去年は夏の高温とかで収量は落ちてる」と話します。さらに、シカやイノシシといった動物が稲を食い荒らし、収穫量が減っているといいます。藤原さん田んぼの収穫量は例年、約1000平方メートル当たり500キロですが、2023年は420キロでした。

そしてコメのお供に欠かせないノリも今、価格が高騰しています。県内一の産地、福山市田島。例年ノリの平均価格は1枚10円前後ですが、今シーズンはおよそ15円と、5割ほど値上がりしています。今年は海水温がノリが成長するための温度までなかなか下がらなかったほか、魚に食い荒らされる被害もあり、出荷枚数は例年の半分ほどに落ち込んだといいます。田島漁協組合の兼田敏信 組合長は「値段が下がってしまったら経営もできなくなるので今の値段で推移してくれればいいなとは思うけど、消費者には悲しいかな」と話します。

広島市内で6店舗を展開するおにぎり専門店「仁多屋」。素材にこだわった約30種類の商品を販売しています。仁多屋を運営するMARUSHINの山根優子 副社長は「海苔は年々値段が上がり3割くらい上がっている」と話し、1年で約500万円の価格上昇だといいます。仁多屋では島根県の事業者と連携することでコメを一定の価格で仕入れていますが、ノリの高騰に加え、円安の影響で海産物の輸入価格が上昇。2024年に入り、ほぼ全商品を10円から40円値上げしました。

【2024年6月26日 放送】

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