自作した偽物のマオタイ酒が「本物」と鑑定される? ―中国

23日、香港メディア・香港01は、貴州マオタイ集団の真偽鑑定者が偽物のマオタイ酒を「本物」と鑑定していたことが発覚し、物議を醸したことを報じた。写真はマオタイ酒。

2024年6月23日、香港メディア・香港01は、貴州マオタイ集団の真偽鑑定者が偽物のマオタイ酒を「本物」と鑑定していたことが発覚し、物議を醸したことを報じた。

記事は、中国本土のテレビ局による報道を紹介。それによると、湖北省武漢市のある市民が昨年5月、ショート動画アプリ・抖音(Douyin。中国本土版TikTok)のライブコマースを通じて業者からマオタイ酒10本を購入した。それら商品について貴州マオタイ集団の鑑定担当者から「本物」の判定を受けたため、同じ業者からさらに14本を購入した。ところが、今年に入って抖音上で「マオタイ酒の自作方法」を知って疑問を抱き、第三者機関に購入した商品の鑑定を依頼したところ、24本中14本が偽物であることが判明した。同市民が購入業者について調べようとしたところ、すでにこの業者は抖音運営者によって強制閉店処分を受けていたという。

この問題を受け、テレビ局の記者がネット上で販売されていた「絶対にバレない」というマオタイ酒の包装を購入し、別の酒を入れた物を同市の同集団偽物撲滅事務所に鑑定してもらった結果、その場で1分ほど見ただけで「本物」と鑑定されてしまったとのこと。

同集団は今月20日、「5月11日と18日に2人の市民が直営店にマオタイ酒の鑑定を依頼したところ、鑑定担当者が規定の鑑定プロセスに沿わず、口頭で『本物』と判定した」という事案が発生し、今月22日にベテランの鑑定専門家や国家蒸留酒評価委員からなる鑑定グループが当該製品を鑑定したところ「包装は再利用品と偽物の材料が用いられているほか、酒自体もテイストが異なるため、偽物である」との判定が下されたことを明らかにした。

記事によると、同集団は内部調査の結果、当時それぞれの鑑定を担当した2人は「大雑把かつ不真面目な鑑定操作」を行っており、会社の製品鑑定プロセスに問題があることが発覚したと説明。今後製品の鑑定能力やデジタル化水準を高め、鑑定管理システム作りを強化する姿勢を示した。また、包装材料を再利用した偽装製品問題については「偽装防止トレーサビリティー体系の最適化を続け、消費者により良い消費体験を提供するよう努める」としている。(翻訳・編集/川尻)

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