斎藤知事、ハラスメント研修受講へ 本紙掲載の読者の声に「もっともだ」 パワハラ疑惑は改めて否定

会見でハラスメント研修を受ける考えを示した斎藤元彦知事=26日午後、兵庫県庁

 兵庫県の元西播磨県民局長が斎藤元彦知事らの言動に違法行為があったとして告発する文書を作成し、懲戒処分を受けた問題で、斎藤知事は26日の定例会見で、ハラスメント研修を受講する考えを明らかにした。一方、文書で指摘された自身のパワハラ疑惑は「業務上、必要な範囲内だった」とあらためて否定した。

 斎藤知事は20日の会見で、職員へのパワハラなど文書で挙げられた7項目の疑惑について初めて説明し、いずれも否定した。

 この説明に対し、多くの県民から批判や𠮟責、声援を受けたと語り、その中でも24日付の神戸新聞夕刊「イイミミ」(一部地域は25日付朝刊)に掲載された「今はどこの会社でも、管理職はパワハラ研修を受ける。ひょっとしたら知事は、受けていないのかな…」という読者の声を取り上げ、「本当にもっともだと思った。職員に感謝と信頼の気持ちを持つことが重要。機会を設けて(研修を)受けるべきだと思った」と受講の意思を明らかにした。

 しかし、目的地の建物の20メートル手前で公用車を降ろされたことで激怒したなど、文書に記載された内容については「20メートル歩かされたことを注意したのではなく、円滑な動線を確保できていなかったことを指摘した。業務上必要な注意だったと今も思っている。パワハラに当たるかは百条委員会や第三者委員会で議論されると思う」とこれまでの主張を繰り返した。 (前川茂之)

© 株式会社神戸新聞社