阿南市で市長に対し25億円を市に支払うよう求める住民監査請求 市内全世帯への10万円給付問題【徳島】

徳島県の阿南市の岩佐義弘市長が全世帯への10万円給付を実施した際に、市の貯金である財政調整基金から25億円を取り崩したことなどが違法だとして、6月26日に一部の市民ら市に対し、市長が25億円を市に支払うことを求める監査請求を行いました。

この監査請求を行ったのは阿南市民と阿南市議あわせて4人です。

4人はこの日の午後、代理人弁護士とともに阿南市役所を訪れ、監査事務局の担当者に請求書を手渡しました。

阿南市では2023年11月の市長選挙で当選した岩佐市長が、公約として市内全世帯への10万円給付を掲げていました。

給付のためには市の貯金である財政調整基金から25億円を取り崩す必要があり、阿南市議会12月定例会では給付に反対する一部議員から修正案が提出されましたが、採決の結果、反対多数で否決されました。

2024年3月から支給が始まり、6月13日時点で支給完了率は98.3%となっています。

4人は提出理由として、今回の給付が財政調整基金の取り崩しを認める条例に該当しないことなどを挙げた上で、市長が25億円を市に支払うことを求めると、請求内容について説明しました。

(監査請求を行った市民)

「この一連の施策が未来に何を残すのか、どう影響していくのかっていう懸念も含めて、法に照らして審議を問いたいと思っています」

監査の結果はこの日から60日以内に明らかになり、結果次第で4人は住民訴訟も視野に入れているとのことです。

一方、岩佐市長は、「住民監査請求については詳細を承知していないので、現時点では何もコメントできません」と、話しています。

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