76歳~41歳、最多は東京大・大学院、半数以上が官僚出身、女性は2人…さてこの職業は?

 7月7日投開票の鹿児島県知事選は、現職と新人2人の三つどもえの選挙戦が続いている。同じ七夕決戦の東京都知事選には過去最多56人が立候補して注目を集める。各都道府県のかじ取り役である知事はどんな経歴なのか。全国知事会と各都道府県の公式ホームページを参考にまとめた。

 26日現在、47都道府県知事の平均年齢は60.19歳。最年長は76歳で、秋田県の佐竹敬久知事と岐阜県の古田肇知事の2人。古田氏を含む5人が現職最長の5期目に当たる。最年少は大石賢吾長崎県知事(41)。医師で元厚生労働省医系技官、長崎北高時代には全国高校ラグビー大会に出場経験がある。

 沖縄県の玉城デニー知事(64)=上智社会福祉専門学校卒=を除く46人が大学卒・大学院修了。東京大・大学院が最多の25人で、2位の慶応大3人を大きく引き離す。岩手県の達増拓也知事(60)や茨城県の大井川和彦知事(60)、宮崎県の河野俊嗣知事(59)ら5人は東京大を卒業後に海外留学している。

 鹿児島県の塩田康一知事(58)は経済産業省九州経済産業局長からの転身。鹿児島の歴代知事は、テレビキャスター出身の前職、三反園訓氏、県職員生え抜きの須賀龍郎氏(任期1996~2004年)を除き、戦後就任した9人中7人が中央省庁の官僚出身だ。

 全国の官僚出身の現職知事は27人と半数以上を占める。最多は総務省(旧自治省)で11人。国土交通省(旧運輸省、建設省)と経産省(旧通産省)が各5人。

 鹿児島県立短期大学の山本敬生准教授(行政法)は、官僚出身が多い理由について「国とのパイプ役になってくれる、出身省庁がその地方の味方になり優遇してくれると有権者が期待するため」と分析する。

 首長や議員、自治体職員から知事になる人も多い。民間経験のみは、山形県の吉村美栄子知事(73)=行政書士、神奈川県の黒岩祐治知事(69)=元フジテレビ社員、富山県の新田八朗知事(65)=元日本海ガス社長、岡山県の伊原木隆太知事(57)=元天満屋社長=の4人だけ。

 今回の県知事選には元自民県議の米丸麻希子氏(49)と、市民グループ共同代表の樋之口里花氏(52)の2人の女性が立候補している。これまで鹿児島県に女性知事は誕生しておらず、立候補者も08年に1人、20年に2人しかいない。

 全国の歴代女性知事は7人のみ。現職は山形県の吉村知事と東京都の小池百合子知事(71)の2人だ。

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