NATO次期事務総長にオランダのルッテ首相 10年ぶり交代へ ロシア侵攻で調整役担う

NATO=北大西洋条約機構は、10月に任期を終えるストルテンベルグ事務総長の後任がオランダのルッテ首相に決まったと発表しました。

NATOの事務総長は2014年からストルテンベルグ氏が務めていますが、10月1日に任期を終えます。NATOは26日、その後任にオランダのルッテ首相を任命することを決めたと発表しました。

NATOの事務総長の任期は4年で、伝統的にヨーロッパの出身者が務めています。ルッテ氏は14代目となり、オランダ出身の事務総長としては4人目です。

ルッテ氏は2010年にオランダの首相に就き、在任期間は史上最長で、ウクライナ支援をめぐってはF16戦闘機の供与を決めるなど支援に積極的な姿勢を見せてきました。

事務総長の選出には全ての加盟国の同意が必要で、早くからアメリカやイギリスなど多くの国がルッテ氏への支持を表明していました。

難色を示していたハンガリーのオルバン首相は今月18日、「NATOのウクライナ支援にハンガリーが参加しないという合意を続けることをルッテ氏が約束した」として支持に転じました。

また、20日には対抗馬だったルーマニアのヨハニス大統領が立候補を取り下げました。

ストルテンベルグ事務総長は26日、SNSで、ルッテ氏は「強力なリーダーであり、合意形成者だ。NATOを信頼できる人物に託したと確信している」と祝福しました。

ロシアによるウクライナ侵攻が長期化し、11月のアメリカ大統領選挙でウクライナ支援に懐疑的とされるトランプ前大統領の再選の可能性もある中、ルッテ氏は加盟国間の調整役を担うことになります。

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