チャールズ国王と天皇陛下の関係は 日本人宇宙飛行士が語る晩さん会

国賓として、イギリスを訪問中の天皇皇后両陛下。晩さん会で、天皇陛下はかつて戦火を交えた両国の歴史を踏まえた上で、思いを語られました。その晩さん会には日本人宇宙飛行士の姿も。間近で見た会の様子について語ってくれました。

両陛下のイギリス滞在4日目は、今回の公式訪問の中で“メインの1日”となりました。

ウィリアム皇太子

「お会いできてうれしいです」

天皇陛下

「またお会いできてうれしいです」

現地時間25日正午前、まず、ウィリアム皇太子の出迎えを受けた天皇皇后両陛下。皇后さまはイギリス到着以来、体調を考慮してホテルで休んでいましたが、この日、初めて姿を見せられました。

チャールズ国王とカミラ王妃に迎えられ、歓迎式典に臨まれたあと…

記者

「天皇陛下、馬車の中でにこやかに手をふられています」

馬車に乗り、バッキンガム宮殿へつながる大通りをパレードされた両陛下。皇后さまは馬アレルギーのため白いマスクを着用していましたが、沿道に集まった多くの人々に、にこやかに手をふられていました。

パレードを見た人

「陛下の公式訪問が見られて良かったです。2国間にとって重要なことなので」

その後、両陛下が向かわれたのは、ロンドン中心部のウエストミンスター寺院にある「無名戦士の墓」です。第一次世界大戦中に戦場で命を落とした兵士が眠るこの場所には、国賓として訪れた歴代の天皇も訪問されてきました。

両陛下は花輪を手向けたあと、ゆっくりと頭を下げ、長い黙とうを捧げられました。

そして、正装に着替え、国王夫妻主催の晩さん会へと向かわれた両陛下。皇后さまは「ローブデコルテ」と呼ばれるロングドレスに菊の模様のティアラと、一番格式の高い装いで臨まれました。

また、陛下は今回贈られたイギリス最高位の勲章、「ガーター勲章」を身につけられていました。明治天皇以降、5代続けての日本の天皇への授与となります。

バッキンガム宮殿にて、華々しい雰囲気の中開かれた、晩さん会。

その会場にいたのは、日本人女性2人目の宇宙飛行士・山崎直子さんです。2010年には国際宇宙ステーション(ISS)での滞在も経験しています。

晩さん会当日、両陛下の様子を近くで見ていた山崎さんに、news every.は話を聞きました。

宇宙飛行士 山崎直子さん

「一人ひとりに声をかけてくださって、そして和やかな雰囲気を作ってくださったのが本当にありがたかったなと」

山崎さんは、ウィリアム皇太子が設立した環境問題への革新的な取り組みに対する「アースショット賞」の評議員をつとめていることから、晩さん会に招待されました。

宇宙飛行士 山崎直子さん

「(両陛下と)会場に入る前にお話をさせていただきまして、本当に光栄でした」

さらに…

宇宙飛行士 山崎直子さん

「皆様が入場されるときに、アイコンタクトをさせていただけたのもうれしかったです」

映像にも、すれ違った際に陛下と会釈を交わす様子が映っていました。

また、スピーチでは、過去の戦争の歴史を踏まえた上で、戦後友好親善に努めた昭和天皇と上皇さまの思いにも言及された陛下。

「苦難のときを経た後に、私の祖父や父が女王陛下にお招きいただき、天皇としてこの地を訪れた際の想いが、いかばかりであったかと感慨深く思います」

一方、チャールズ国王は…

「日本文化のシンボル的な存在の背景に、英国の物語があると知るのもうれしいことです。この方、ハローキティのお誕生日を、ぜひお祝いしたいと思います!」

両国の緊密な友情をたたえる中で、ユーモアたっぷりにハローキティの誕生日をお祝いし、陛下が笑われる場面もありました。

このスピーチ中、“国王と陛下の関係性”が伝わったという山崎さん。

宇宙飛行士 山崎直子さん

「時々、お互い顔を見せあっているような感じがありましたので、2人の信頼関係にあふれたスピーチだったのかなと思います」

お互いがお互いを思いやるような、和やかな雰囲気を感じ取れたということです。

両陛下のイギリス訪問の日程も折り返しに。滞在5日目は、日本人若手研究者たちとの交流などが予定されています。

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