政務活動費、2023年度分もネット非公開 広島県議会、収支報告書と領収書 中国5県議会で唯一

広島県議会棟

 広島県議会は2023年度分の政務活動費の収支報告書と領収書をインターネットで公開しないと決めた。中国地方5県議会で収支報告書と領収書をいずれもネット公開していないのは広島だけ。透明性を確保するため全国の議会で公開に踏み切るケースが相次ぐ中、広島県議会の後ろ向きな姿勢が際立つ。

 広島県議会は7月1日、23年度分の収支報告書と領収書を県議会棟1階の議会情報コーナーで閲覧できるようにする。情報公開請求をすればコピーを交付する。県議会のホームページ(HP)では公開せず、会派別収支の一覧表だけ載せる。

 自民党派閥の裏金事件で「政治とカネ」問題に注目が集まる中、県議会の一部には「ネット公開すれば透明度が高まる」と前向きな声もある。ただ「誰にあら探しをされるか分からない」「無用なトラブルが起きる」と消極的な意見が多い。

 中国地方の議会では岡山県が19年度分から収支報告書をHPに載せているが、領収書は議事堂でしか公開していない。山口県は18年度分、島根県と鳥取県は17年度分から収支報告書と領収書をHPで公開。広島市議会は14年度分から収支報告書、16年度分から領収書をHPで公開している。

 全国市民オンブズマン連絡会議によると、22年度分は全47都道府県議会のうち23都府県議会が領収書をネット公開しており、公開を始める議会が増えている。

 23年度分からは神奈川、愛知、香川の3県が収支報告書と領収書のHPへの掲載を始める。既に収支報告書を掲載している滋賀県は領収書も公開する。栃木県は収支報告書の掲載を始めるが、領収書は見送る。

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