基本無料ルートシューター「The First Descendant」インプレッション。やり込みがいのあるカスタマイズ要素とやりがいのある高難易度バトルで期待度が高い1本

by 池紀彦

【The First Descendant】

7月2日 発売予定

価格:基本プレイ無料(課金型モデル)

NEXONは、7月2日よりサービス開始予定のプレイステーション 5/プレイステーション 4/Xbox Series X|S/Xbox One/PC(Steam)用三人称視点ルートシューター「The First Descendant」のメディア向けの試遊イベントを6月25日に開催した。

「The First Descendant」は、Unreal Engine 5.2を採用した超美麗な高品質グラフィックスが特徴で、敵からドロップするアイテムで武器やキャラクター自身を強化するといった成長要素を取り入れたアクションシューティングだ。ワイヤーアクションや個性的で豪快なスキルなど、ダイナミックなバトルが魅力となっている。開発は「ブルーアーカイブ -Blue Archive-」などで知られるNEXON Games。

プレーヤーは「継承者(Descendant)」と呼ばれる個性的なキャラクターを操作し、地球を侵略したエイリアンのバルガスたちとの戦いにその身を投じる。NEXONは本作を「協力型アクションRPG」とも銘打っており、最大4人のオンラインプレーヤーでパーティを編成して、様々なミッションや、凶悪なボスとのレイドバトルなどが楽しめるほか、ソロでも楽しめるメインストーリーなども用意されている。

試遊イベントでは、チュートリアルを含むプロローグのメインストーリーをプレイしたほか、他メディアの記者たちと即席でパーティを組み、パーティプレイやレイドバトルにも挑戦できた。本稿ではこの試遊イベントでのプレイフィールを中心に紹介していきたい。

重厚なSF要素が詰め込まれたメインストーリー。ゲーム操作はシンプル

チュートリアルでは3人の継承者から1人を選択してプレイした。選択可能なのは、冷気による攻撃や補助が可能なデバッファーのビエッサー、グレネードで強力な攻撃が行なえるアタッカーのレピック、バリアで敵の攻撃を防げるタンクのエイジャックスの3人。

パーティー編成時の役割情報なども紹介されているが、いずれも手持ち武器による通常攻撃は行なえるので、どのキャラクターを選んだ場合でも、スムーズにチュートリアルは攻略できる。今回筆者は安全重視のため、バリアが使えるエイジャックスをチョイスした。

なお、ここで選択した継承者については、その後変更も行なえるが、利用可能な新たな継承者の獲得にはゲーム内マネーで購入するか、研究などのゲーム内イベントを進める必要がある。

操作はオーソドックスで、左のアナログスティックで移動、右スティックで視点変更、Aでジャンプ(2段ジャンプも可能)、左スティック押し込みでダッシュ、LTで構えてRTで弾を撃つ。Xでリロードし、Yで手持ち武器を変更し、Bボタンのローリングで敵の攻撃が回避できる。通常は銃撃戦やスキル発動がメインとなるが、RB+LBボタン同時押しで近接攻撃も備える(Xboxコントローラー準拠)。

特徴的な操作として、岩山などに赤いワイヤーを発射し、掴んでそこにスムーズに移動できるワイヤーアクションの「グラップリングフック」がRBボタンのみのシンプル操作で行なえる。グラップリングフックでは、通常のジャンプでは届かないような高いところに移動することができるほか、行き先の壁面などにワイヤーを発射することで、ダッシュよりもさらに高速な移動が行なえるアクションとなっている。

ただし、グラップリングフックは連続で2回までしか使用できず、回数の回復にはクールタイムも設定されている。スパイダーマンのように、次から次へとグラップリングフックを出して空中を移動するとまではいかない。

継承者固有のスキルを発動する場合は、LBボタンを押したままでA/B/X/Yボタンで簡単に発動できる。スキルについては、画面下部にアイコンと共にどのボタンがどのスキルかの情報が表示されており、どのアイコンがどのスキルかを事前に頭に入れておけばかなり有用に活用できる。ここはスキル使用後のでクールタイムの状態や、スキル使用可否の情報も提示されており、わかりやすい。

操作そのものはシンプルなので、未プレイの人でも比較的スムーズに覚えられるシステムとなっている。よくあるTPSアクションゲームと比較すると、グラップリングフックの操作や動きにはややクセがあると感じた。移動速度もかなり速いため、この辺りの挙動は多少慣れが必要だが、今回3時間ほどのプレイでそれなりに思う通りの動きができるようになってきたので、これを自在に操れると本作の楽しさはさらに高まるのは間違いない。

あと個人的には、掴める場所の判断が難しい場合もあったが、画面中央のサイト内の点が赤く光る場所ならグラップリングフックが掴めるようなので、この辺りを意識するのが重要だ。

また、本作はシステムその物がキーボード/マウス操作をベースとしているため、キーボード/マウスでの操作も可能だ。こちらはW/A/S/Dキーによる移動やQ/C/V/Zキーによるスキル発動、マウス操作による視点操作やエイム、マウスボタンでの射撃など、より滑らかかつ直感的な操作が可能となっている。特にワンボタンでスキルが発動できる点や、マウス操作の視点切り替えはかなりスピーディーなので、PC版で遊ぶならキーボード/マウスで慣れる方が攻略しやすそうだ。

次にストーリーだが、チュートリアルは、世界を守るための超重要な謎のアイテム「アイアンハート」を獲得しにやってきたプレーヤーと、もう1人の継承者バニーの2人が「アイアンハート」を回収しようとした際に正体不明の謎の存在「ガイド」の力で異空間に飛ばされてしまうところから始まる。ここで遭遇した「ガイド」は「アイアンハート」を使う事で人類を助けられると語りかけてくる。

その後、不穏な方法で現実世界に戻されたプレーヤーたちだが、ここで天敵のバルガスたちが出現し、回収した「アイアンハート」を奪おうと迫ってくる。次から次へと湧き出るバルガスの量産兵たちを撃退しながら前に進んでいくと、その先には、先に脱出したバニーが、バルガスのリーダー・カレルの手に落ちていた。強引に「アイアンハート」を奪うカレルだが、この時カレルが「アイアンハート」に触れると、凄まじいエネルギーが発生し、敵味方関係なく暴発して周囲が破壊の渦に巻き込まれる。

間一髪で破壊の渦から逃れたプレーヤーとバニーの2人だが、そこに巨大モンスター(巨神)の「グレイブ・ウォーカー」が出現する。その隙をついて「アイアンハート」を回収したカレルはそのまま脱出。残った2人の継承者たちは巨大モンスターと対決することになるが、これを撃退後は人間たちの本拠地アルビオンに帰還するところで、一旦チュートリアルは区切りとなる。

ここまで見る限り、ストーリーの展開はバルガスと人類の生き残りを賭けた戦い、というオーソドックスながら、「ガイド」や「アイアンハート」などの謎の数々が興味を引き立てる。なお、本作にはソロコンテンツとして、チュートリアルに含まれるこうしたメインストーリーの他に、継承者たちの個別のストーリーも用意していくという。サービス開始時は、チュートリアルでも一緒に戦ったバニーのみ提供されるが、今後随時拡充していくとのことだ。

チュートリアル後に解放されるメニュー項目などをチェックしてみると、ショップやバトルパス、カスタマイズなどの項目が確認できた。ショップでは継承者のセットや、スキン、素材などが並んでおり、ゲーム内マネーで購入できる仕組みになっていた。

本作では課金要素としてゲーム内マネーを購入するほか、無料のバトルパスと有償のプレミアムバトルパスが用意されており、継承者のキャラクターや、スキンなどのカスタマイズアイテム、さらには、装備強化などに必要なモジュールなどが入手できるようになっている。

ただし、本作ではこうした課金アイテムなどについては、課金をしなくても毎日ガッツリプレイする事で入手が可能な仕組みになっているのだという。どのくらいハードに遊べば課金しなくても入手できるかについては、プレイしてからのお楽しみだが、無課金勢であってもゲームを堪能できる仕組みを考えている点は好印象だ。

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