現代美術家、三島喜美代さん死去 ごみを再現した陶製作品

 新聞紙や段ボール、空き缶といった身近なごみを精巧に再現した陶製の作品で知られる現代美術家の三島喜美代(みしま・きみよ)さんが19日、病気のため死去した。91歳。大阪市出身。葬儀・告別式は近親者で行った。

 1950年代に活動を開始。当初は新聞や雑誌をコラージュした油彩画など平面作品を制作していたが、70年代に入ると、新聞記事や空き缶の図柄などをシルクスクリーンで転写し、リアルに再現した陶製の立体作品を手がけ、注目を集めた。

 大量消費社会や情報化社会に厳しい視線を向けつつも遊び心にあふれた作風で親しまれている。

 80歳を超えてからさらに評価が高まり、文化庁長官表彰や毎日芸術賞などを受賞。

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