【ソフトバンク】新人・広瀬隆太がバント失敗に怒りを爆発させた理由「監督の…」

ソフトバンク・広瀬隆太

パ・リーグ首位を独走中のソフトバンクは26日のオリックス戦(京セラ)に5―1の快勝を収め、貯金を今季最多の26とした。引き分けを挟んで4連勝を飾り、7カード連続の勝ち越し。勝率7割超えで強さが際立っている。

安定感ある戦いの中で、未来への〝投資〟が進んでいる。2―1で迎えた6回、正木の貴重な適時打でリードを広げ、なおも無死一、二塁。ベンチは8番・広瀬隆太内野手(23)に犠打のサインを出したが、結果は初球ファウル後、2球目が捕邪飛となり、走者を進めることができなかった。結局、後続も打ち取られて4点目は奪えず。試合後、小久保監督は「バントは成功せんやろうなと思いながら出しているんで」と愛のあるイジリを挟みつつ「いきなり3、4、5番を打てるならいいけど、そうじゃなければ(バントは)絶対に必要なんで。ゲームでミスしながら本気で練習に取り組んでやるしかうまくならない」とメッセージを送った。

森のミットに白球が収まった瞬間、広瀬が珍しく感情を爆発させてほえた。指揮官の意図を理解できたからこそ悔しさをあらわにした。「バント失敗が一番イライラします。やっぱり下位打線なんで、送んないといけないところは送んないといけない。しっかり決めたかった…。監督の…、期待に応えられるように次は決めたい」。試合後も自身への怒りを隠し切れなかった。

慶大時代、東京六大学リーグで歴代4位タイの通算20本塁打を放ったスラッガーは将来の主軸候補だ。ただ、その地位を固めるまでに通らなければならない道がある。交流戦で一軍昇格すると、そこから22試合中スタメンを外れたのはわずか3試合。牧原大、三森の故障離脱がなければ巡ってこなかったであろう出場機会だが、運も実力のうち。「この失敗を次に生かせればいいと思います」。帰路に就く際、冷静さを取り戻した23歳はしっかりと前を向いた。

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