横浜市、中小企業の脱炭素化後押し 「宣言制度」を創設 エネルギー利用状況を可視化する診断、わずかな負担で

山中竹春市長(資料写真)

 横浜市は26日、中小企業の脱炭素化を後押しするための「宣言制度」を創設した。宣言企業はエネルギーの利用状況を可視化する診断をわずかな負担で受けられるほか、専門家と具体的な対応策を話し合うことができる。脱炭素化に取り組んでいる市内の中小企業は半数に満たないとの調査結果があり、市は制度によって「最初の一歩」を踏み出してもらいたい考えだ。

 正式名称は「脱炭素取組宣言制度」。市のサイトで企業名や担当者の連絡先などを入力し、「エアコンの適切な温度設定」「電気自動車の購入」といった省エネの取り組みについてチェック形式で回答すると、すぐに宣言書の電子データが発行される。まずは行動を起こしてもらうため、作業を簡略化したという。

 宣言企業は、経済産業省の事業として一般社団法人環境共創イニシアチブ(東京都)などが展開している空調や照明設備などの「省エネ診断」を消費税額のみで受診し、エネルギーの使用状況を把握できる。費用の9割は国が補助しているため、残り1割(上限5万円)を市が負担する。

 診断後は横浜企業経営支援財団(IDEC横浜)が専門家を派遣し、エネルギーの省力化に向けた設備投資など、個々の企業に合わせた選択肢を紹介する。診断結果やアドバイスを踏まえ、環境負荷が比較的少ないLED照明に切り替えたり、太陽光発電設備を導入したりする場合には補助金を受けられる。

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