「新紙幣発行で売り上げが増えるものでもない」自動販売機扱う会社『対応部品の交換』すべて自社負担

20年ぶりとなる新しいお札、新紙幣の発行まであと1週間です。私たちの生活に身近な「自動販売機」でも切り替え作業が急ピッチで進められています。

自動販売機に“シール”

小笠原悠記者: 「名取市愛島にやって来ました。田んぼや畑が広がる一角にずらっと20台ほど自動販売機が並んでいます」

飲み物にお菓子、冷凍の牛タンや人気店のラーメンなど様々な商品が販売されています。

小笠原悠記者: 「飲み物の自販機には新・旧1000円札使えますというシールが貼ってあります。こちらの中華料理の冷凍食品を売っているものはまだのようです」

26日午前中の時点では、およそ20台のうち11台に新千円札OKのシールが貼られていました。

自販機の利用客: 「本当だ、新札使える。気づかなかった全然」

新紙幣の発行は、偽造防止などが目的で一万円札は現行の福沢諭吉から渋沢栄一に。五千円札は津田梅子、千円札は北里柴三郎へとデザインが変わります。

7月3日の発行まであと1週間。自動販売機を扱う仙台の会社は対応に追われています。

切り替えを終えた自販機はまだ4割ほど

サン・ベンディング東北商品機材部 中島真一係長: 「(この段ボールの中には何が?)新紙幣に対応する部品です。目印は新紙幣対応済というシールです。手作業で交換(1日)20台から30台ぐらい交換します」

自動販売機の場合、千円札を読み込む部品を新紙幣対応のものに取り換えれば作業完了です。

東北6県を中心に3万3000台を運営、管理する「サン・ベンディング東北」では、去年10月から作業を進めてきましたが、切り替えを終えた自販機はまだ4割ほどとなっています。

サン・ベンディング東北 加藤友人常務: 「来週からさらなる態勢づくりとして、対応できる人員に講習をするなどしてみんなで(交換作業を)できるようにもっていきたい」

すべて会社負担…

さらに部品の交換費用は、すべて会社の負担だといいます。

サン・ベンディング東北 加藤友人常務: 「すごく費用がかかる。3万3000台あるものですから。売り上げがそれ(新紙幣)によって増えるものでもないと思うので、ちょっと頭が痛いというのが正直ある」

年内に交換が全て終わるよう作業を進めているということです。

日銀仙台支店によりますと、新紙幣は7月3日から県内の各金融機関にも順次届く見込みです。窓口に旧紙幣を持っていけば新紙幣と交換できますが、3日当日に交換できるかどうかは金融機関の各店舗によって対応が異なるということです。なお、旧紙幣も引き続き使うことができます。

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