中日本高速会社・縄田正社長が就任会見/安全最優先でさらに進化、働き方改革も

中日本高速道路会社は25日、同日付で就任した縄田正新社長と小室俊二前社長の会見を名古屋市中区の本社会議室で開いた。縄田新社長は「企業理念である社会貢献は単純明快だが、環境は劇的に変化している。今後も常に求められ信頼されるためには、安全で快適な人流・物流空間を提供するとともに、さらなる進化が重要」と意気込みを語った。喫緊の課題には建設業界の働き方改革を挙げた。
安全性の向上は永遠の課題とし「笹子トンネル事故後に入社した社員は4割を超える。記憶と教訓は決して風化させることなく、安全を最優先に高速道路空間の保全・管理に努める」と力を込めた。
道路機能の強化については「激甚化・頻発化する自然災害への備えやリニューアル、ミッシングリンクの解消、4車線化、6車線化、SA、PAの有効活用など、各事業を円滑に進める」と改めて説明。脱炭素化や自動運転にも触れ「創意工夫とスピード感を持って進化、変革させる必要がある」と語った。
これらを着実に進めるため、グループの生産性向上や経営基盤強化だけでなく「われわれと共に活動する企業と一体となり、働き方改革に取り組む必要がある」との考えを示し、建設業でも本年度から時間外労働の上限規制が適用されたことを踏まえ「3月に工事円滑化ガイドラインを策定した。これが現場で組み込まれ、生かされているかフォローしていきたい」と述べた。
小室前社長は「笹子トンネルのような事故は二度と起こしてはならないという深い反省、強い決意で誠心誠意取り組んできた。老朽化対策、リニューアルを着実に進める必要がある」と話した。
能登半島地震の復旧は技術力やチームワークが発揮されたとする一方、大雪による渋滞は課題が残るとし、縄田新社長にバトンを託した。小室前社長は相談役に就く。
(なわた・ただし)1983年京都大学大学院工学研究科修了、建設省(現国土交通省)入省。東北地方整備局長、環境省環境再生・資源循環局長、日本橋梁建設協会副会長・専務理事、中日本高速道路会社代表取締役兼専務執行役員建設企画本部長などを経て現職。66歳。

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