Travis Japanを支える豪華クリエイター陣 7人の実力を活かしきる世界を見据えた作品の数々

Travis Japanが、6月10日に5thデジタルシングル曲「Sweetest Tune」をリリース。King & Prince 永瀬廉主演のドラマ『東京タワー』(テレビ朝日系)の挿入歌としても話題の本楽曲だが、リリース同日に公開されたMVの豪華制作陣にも注目が集まっている。そこで本稿では、これまでTravis Japanの作品に携わったクリエイター陣に焦点を当て、裏側から作品の魅力を解明していく。

発売当日に公開された「Sweetest Tune」のMVでディレクターを務めたのは、XG「NEW DANCE」、「WINTER WITHOUT YOU」やNCTのTEN「Nightwalker」などのMVも手がけるディレクター・YVNG WINGだ。同氏の映像作品はアーティストの世界観や無二の個性を尊重しつつ、見る者を飽きさせないシーン展開やアングル使いのうまさが際立つように感じる。今作でも部屋を飛び回る蜂の視点で映像が始まったり、カメラに向かって腕を伸ばした松倉海斗が、場面が切り替わった瞬間にその姿勢のままソファに倒れ込んでいたり……と、遊び心満載のクリエイティブが見どころとなっている。

振付にはRht.のMacotoとReiNaが参加。GENERATIONS「Diamonds」、Snow Manのラウールが参加した『2023 FNS歌謡祭』(フジテレビ系)のダンスコラボレーション企画でのソロステージや、PSYCHIC FEVER「Love Fire」などにもHIPHOP・ジャズのバイブスをふんだんに盛り込んだ魅惑的な振付が持ち味のMacotoと、これまでNCT 127、NCT U、Stray Kids、ATEEZ、BE:FIRST、Snow Manなどの振付を担当し、力強くパンチの効いた大振りのダンスを強みとするReiNa、日頃から交流の深い“Rht.クルー”タッグのグルーヴィーな音取りにも注目して楽しむことができるのではないだろうか。

振り返ると、これまでの作品でも、グローバルに名を馳せる振付師がTravis Japanの作品に数多く関わってきた。デビュー曲「JUST DANCE!」と3rdデジタルシングル「Candy Kiss」では、BTS「Dynamite」でも有名な世界的振付師であるニッキー・アンダーセンが、2ndデジタルシングル「Moving Pieces」では、マイケル・ジャクソンの「THIS IS IT」の振付経験をもち、自身がTravis Japanのメンバーを選抜したことでグループ名の由来にもなっているトラヴィス・ペインが振付を手がけたことでも大きな話題となっていた。

もちろん、これらの著名なアーティストの振付を自分のものにできるのは、彼らの個々のダンススキルや身体能力に裏打ちされた土台があるからこそ。アーティストが求めるハードルを難なく飛び越え、常に新たな化学反応を生み出し続けているTravis Japanだからと言えるだろう。

一方、サウンド面ではどうだろうか。例えば「Moving Pieces」は、ジャスティン・ビーバーやエド・シーランなど、洋楽シーンを代表する大人気アーティストにも楽曲提供を行う音楽プロデューサーのプーベア(Poo Bear)が書き下ろした。また、デジタルEP『Moving Pieces』収録の「Still on a journey」や「T.G.I. Friday Night」の作曲には、EXILEをはじめとするLDHアーティスト、BoA、SHINee、嵐、Nissy、TWICEなど、国内外数多のアーティストの楽曲を制作してきたプロデューサーのクリスチャン・ファストが携わっていることも押さえておきたい。このように世界を跨いで活躍するクリエイター陣との協働により、Travis Japanの作品は世界に照準を定めた良質な音楽に仕上がっている。

デビュー前からアメリカ・ロサンゼルスにメンバー全員で留学していたTravis Japan。留学時代はまさしく武者修行同様の鍛錬を積みながら、ダンスの世界大会のひとつである『World of Dance Championship Series 2022』出場やアメリカのオーディション番組『America's Got Talent Season 17』準決勝進出の快挙を果たした。デビュー後はグループ初のワールドツアーを控えており、世界に向けて着実にステップアップしている。外部イベントへの出演や歌番組でのダンスコラボ企画での活躍により、Travis Japanはコアなファンでなくとも、従来の事務所のカラーに良い意味で新たな風を吹かせているという印象を抱く人も少なくないだろう。当初こそ留学や全世界デビューという前代未聞の発表に驚きながらも、メンバーを信じてここまで愛情深く応援し続けてきたファンとともに、Travis Japanはこの先どんな躍進を遂げていくのだろう。世界を舞台にした7人の挑戦はこれからも続いていく。

(文=風間珠妃)

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