【Hothotレビュー】これを待ってた!Intel N100のChromebook。パワー十分でペンも高性能なマウス製11.6型2in1

by 芹澤 正芳

ChromeOSを採用する「mouse Chromebook U1-DAU01GY-A」。直販価格は6万9,850円から

マウスコンピューターからCPUにIntel N100を採用する11.6型のChromebook「mouse Chromebook U1-DAU01GY-A」が登場した。6万9,850円で学習向けの2in1ノートという位置付けだが、実用性十分なパワーと高性能なスタイラスペン付属で使い勝手は上々。家族用やサブノートとしても使いたくなる製品に仕上がっている。さっそくレビューをお届けしよう。

Intel N100はChromebookなら十分な性能

mouse Chromebook U1-DAU01GY-Aは、OSにChromeOS、CPUにIntel N100を採用。メモリはLPDDR5-4800が8GB、ストレージはeMMCで64GBを搭載している。

ChromeOSについて一応触れておくと、Googleが手がける独自OSで、ノートPC的な使い勝手を実現しながらAndroid向けの100万以上のアプリが利用できるのが強み(一部ChromeOS非対応のアプリもある)。マシンパワーがそれほどなくても、スマホのような軽快な動作で使えるという点も特徴だ。

Intel N100は、効率を重視したEコアを4基備えた4コア/4スレッド仕様のエントリー向けモバイルCPU。TDPわずか6Wと低消費電力ながら、Windowsでも実用的な性能を持っていることから、低価格ノートやミニPCで大ブレイク中だ。発熱が小さいため、本機ではファンレス駆動を実現しており、静かに使える。

パフォーマンスは後半でチェックしているので、気になる人はそちらを先に読んでほしい。

4,096段階の筆圧検知と60度の傾き検知のスタイラスペンを付属

ディスプレイは11.6型で解像度は1,366×768ドットだ。映り込みのある光沢タイプで10点マルチタッチとスタイラスペンでの操作にも対応している。詳細なスペックは公開されていないが、角度による色の変化も少なく、発色も良好だった。

付属のスタイラスペンは4,096段階の筆圧検知と60度の傾き検知に対応し、手書きでもスムーズにメモを取ることができ、本格的なイラスト作成も可能だ。USB端子に挿し込むペンホルダーも付属しており、持ち歩きやすいのもよいところ。付属のUSBケーブルで充電して使用する。

ディスプレイは11.6型で解像度は1,366×768ドット
4,096段階の筆圧検知と60度の傾き検知に対応するスタイラスペン。USB端子に取り付ける付属のホルダーで側面に固定できる
付属のUSBケーブルで充電できる

持ち運びやすく頑丈なボディ

ディスプレイ部分を360度回転できるフリップ型の2in1なので、テント型や完全なタブレット型など状況に合わせてスタイルを変更可能だ。Webカメラはディスプレイの上部に100万画素、キーボード上部に500万画素の2台を搭載。キーボード側は高画質なのに加えて、オートフォーカスと10mmのQRコード読み込みに対応しており、タブレット型にしたときに撮影しやすくなっている。

ディスプレイを回転できるフリップ型の2in1。テント型は動画の視聴などに便利だ
完全なタブレット型にもできる。電子書籍を読むのに最適だ
ディスプレイ上部のWebカメラは100万画素。ビデオ会議などに活躍できる
キーボード上部のWebカメラは500万画素と高画質でオートフォーカスに対応。10mmの小さなQRコードの読み込みもサポートする

学校での利用を想定していることもあり、本体背面には収納式のハンドルを備えている。持ち運びしやすくなっているほか、机からの落下を想定した75cmの落下試験とIP4Xの防塵規格に適合するタフなボディを実現している。安心して持ち運べるのはうれしいところだ。

背面に持ち運びしやすくするためのハンドルが内蔵されている
シンプルなデザインと75cmの落下試験をクリアしたタフなボディも特徴だ

剛性の高いキーボードと必要十分なインターフェイス

キーボードは日本語配列で、タフなボディとなっているだけに剛性も高く、強めに打鍵してもたわみはまったく感じなかった。キーピッチは約18.7mm、キーストロークは約1.4mmが確保されている。右側の一部に長方形の小さいキーもあるが、使用率は高くないものが中心なのでそれほど気にならないだろう。

キーピッチは約18.7mm、キーストロークは約1.4mmとなっている
タッチパッドは実測で97mm×54mmだった

インターフェイスは右側面にmicroSDカードスロット、USB 3.0 Type-C(DisplayPort出力、USB PD対応)、ヘッドセット端子、USB 3.0を搭載。左側面には音量ボタン、電源ボタン、USB 3.0 Type-C(DisplayPort出力、USB PD対応)、USB 3.0が用意されている。ネットワークは有線LANは非搭載、無線LANはWi-Fi 6E対応だ。Bluetooth 5もサポートする。

右側面にmicroSDスロット、USB 3.0 Type-C(DisplayPort出力、USB PD対応)、ヘッドセット端子、USB 3.0
左側面に音量ボタン、電源ボタン、USB 3.0 Type-C(DisplayPort出力、USB PD対応)、USB 3.0

本体サイズは292×204×21.3mmで重量は約1.43kgだ。バッテリ駆動時間は公称で約10時間なので1日持ち歩いても安心と言える。電源として45WのUSB PD充電器が付属。筆者手持ちの65W USB充電器でも問題なく充電が可能だった。

重量は筆者の実測で1,424gだった
45WのUSB PD充電器が付属する
充電器の重量は149gだった

ちなみに、NVIDIAのクラウド経由でゲームが楽しめるサービス「GeForce NOW」を試してみたが、問題なくプレイできた。ゲームはクラウド側で動作するのでサイバーパンク2077など超重量級ゲームも快適に遊べるのはよいところ(720p/60fpsで15Mbps以上の回線速度は必要だが)。USB端子もあるのでコントローラも接続しやすく、GeForce NOWとの相性はよいと感じた。

Google Playで提供されているGeForce NOWアプリは問題なく動作した。重量級ゲームをChromebookで遊べるのは正直楽しい
底面にはステレオスピーカーがあるので動画やゲームの音も手軽に楽しめる

パフォーマンスをチェックするため、「Geekbench 6」、「Octane 2.0」、「3DMark」を実行してみよう。

CPUには4コア/4スレッドのIntel N100を搭載
Geekbench 6のMulti-Core Scoreは2,049、Single-Core Scoreは1,029
Octane 2.0 Plusの総合Scoreは41,072、Multi-Core Scoreは170,070
3DMarkのWild LifeのOverall Scoreは2,348

筆者手持ちのSnapdragon 860(8コア/8スレッド)のAndroidタブレットでのスコアは、Geekbench 6のMulti-Core Scoreで2,744、Single-Core Scoreで987、Octane 2.0 Plusの総合Scoreで34,057、Multi-Core Scoreで207,931、3DMarkのWild LifeのOverall Scoreで3,307だ。4コアなのでマルチスレッド性能では若干負けているものの、シングルコア性能は十分高く、Octane 2.0 Plusの総合Scoreからも十分実用的な性能が確保されているのが分かる。

静か、頑丈かつ軽快に使えるChromebook

GIGAスクール構想を見据えたモデルではあるが、ChromeOSを動作させるには十分なパワーのあるIntel N100に安心して持ち運べるタフなボディ、高性能なスタイラスペンと、Chromebookとしての完成度は高い。24時間365日無償電話サポートと3年間無償保証と手厚いサポートもあり、家族用やサブノートとして魅力的な存在だ。

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