世界で唯一! 人の移動を考え、支える国際機関“IOM(国際移住機関)”、その重要性を望月大平駐日代表が解説

TOKYO MX(地上波9ch)朝の報道・情報生番組「堀潤モーニングFLAG(モニフラ)」(毎週月~金曜6:59~)。「New global」のコーナーでは、人の移動に関する国際専門機関“IOM”について取り上げました。

◆世界唯一の人の移動の専門機関"IOM”

国連システムの関連機関であり、人道的かつ秩序ある、全ての人々の利益となる移住の促進を主導する政府間機関"IOM(国際移住機関)”。世界170ヵ国以上で活動し、職員は約3万人います。今回はそのひとり、IOM駐日代表の望月大平さんに、キャスターの堀潤が話を伺いました。

望月さんは、このIOMについて「"安全で秩序ある全ての人々の利益となる移住”を促進するため、その理念に基に活動している機関」と説明。さらには、「そもそも"移動する人”とは何かといえば、移動が"自発的”、"非自発的”かどうか(が重要)で、海外旅行や海外赴任、留学の人も移民のカテゴリーのひとつ。自然災害の影響や紛争・迫害・人権侵害といった非自発的な理由で移動される方もいる」と移動の現状に関して解説します。

国際法上"移民”という定義はありません。そんななか、IOMではあらゆる人を"移住・移民”と位置付け、難民・国内難民・移住労働者など幅広く支援を行っています。

国際法上"移民”という定義はありません。そんななか、IOMではあらゆる人を"移住・移民”と位置付け、難民・国内難民・移住労働者など幅広く支援を行っています。主な役割については、「強制的に移動を受けた人たちの保護、支援する"移送・再定住&緊急支援”。人身取引対策も含む秩序あって「正規の移住」を促進するための活動が"移住管理支援”。そして、人の移動は一国、二国間で解決できる問題ではなくなってきているので、国際的な対話の促進や移民政策の研究、研究成果を加盟国の方と共有なども行っている」と望月さん。

昨今、ビザを取らずに入国するなど"非正規な人の移動”で強制労働の被害や移住途中に死亡する事例が数多く発生しているそう。しかし、一方で移住そのものは決して悪いことではなく、世界的な経済に貢献するというプラスの側面もあると望月さんは言います。

そして、「移民の方々が労働で得た収入を母国へ仕送りする金額は約8,000億ドルにもなっていて、先進国が開発途上国に対して行う政府開発援助(ODA)の3倍。

「移民は行った先の国で労働力となって貢献したり、税金を払うこともあるが、得た収入を母国に送り、母国の開発にも寄与している」と移民の大きな意義を語ります。

◆"IOM”の活動に思うこと

望月さんの話を聞き、株式会社POTETO Media代表取締役の古井康介さんは、「(移民の方々の)仕送り額がODA の3倍というのが衝撃的で、なるほどと思った」と率直な感想を述べ、「努力して母国に貢献したいと思う人たちが、もっと上手く促進されていけば」と今後のさらなる発展に期待を寄せます。

一方でジャーナリストの春川正明さんは、「移動する人たちの命を守る、保護するというところでいえば、日本の出入国管理局の体制、システムが気になる」と国内における問題点を示唆。「法を犯しているかもしれないが(出入国管理局の)管理下にいる人の命が奪われるということは国際的に見ても問題。しかも、何かあれば責任者を処罰する、そもそものシステムに手をつけないので、そこは考え直したほうがいい」と訴えます。

堀も春川さんの意見に同意し、「(日本は)難民条約に加盟している国だが、(出入国管理局に)留め置かれている期間中に移動が制限され、働く自由も制限されたなかで生活を維持するために移動したら『犯罪に手を染めた』と言われる。そんなマッチポンプのような制度でいいのかと思う」と是正することを強く望んでいました。

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<番組概要>
番組名:堀潤モーニングFLAG
放送日時:毎週月~金曜 6:59~8:30
キャスター:堀潤(ジャーナリスト)、豊崎由里絵、田中陽南(TOKYO MX)
番組Webサイト:https://s.mxtv.jp/variety/morning_flag/
番組X(旧Twitter):@morning_flag
番組Instagram:@morning_flag

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