新紙幣発行まで1週間、ATM対応準備着々 負担大...券売機の更新

新紙幣対応の券売機を確認する矢吹さん=大玉村・お食事処たまちゃん

 新紙幣が7月3日に発行されるまで1週間を切り、福島県内でも着々と準備が進んでいる。銀行などは当日のATM設定や両替対応の動きなどを確認し、飲食店は券売機を更新して備えている。各地で慌ただしく準備が進むが、新紙幣発行後も旧紙幣を使うことが可能だ。そのため、日銀は「旧紙幣は使えなくなる」との誤った情報や詐欺被害への注意を呼びかけている。

 20年ぶりの新紙幣発行を控え、東邦銀行はATMの機械設定の最終確認をしている。新券を識別できるようにATM全約360台のシステム更新の最中で、今週中に完了する予定という。

 同行の担当者は「20年前と比べてキャッシュレス化が進んでいるため、当日の両替の需要は分からない部分があるが、混乱のないようにお客さまをご案内したい」と当日を見据えた。

 両替対応については福島市の本店など7店舗は3日から、そのほかの店舗は4日からを予定している。

 券売機などの確認作業が進む飲食店の店主らは負担の大きさを嘆く。大玉村にある、お食事処たまちゃんや併設する店舗で設備管理を担当する矢吹吉信さん(50)は「券売機の更新に約15万円かかった。レジの更新も合わせると約25万円。特にレジは、インボイスへの対応なども含めると約70万円の出費でこたえた」と話した。

 福島市にあるラーメン店「すずらん」店長の高橋由香さん(47)も同様で「原材料の高騰などもある中、券売機の更新は負担だが、値段を上げずにやっていくしかない」とこぼした。

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