ISS処分、宇宙機使い大気圏へ スペースXが開発、31年実施

国際宇宙ステーション=2021年(NASA提供・共同)

 【ワシントン共同】米航空宇宙局(NASA)は26日、国際宇宙ステーション(ISS)の2030年引退をにらみ、安全に軌道を離脱させるための宇宙機を米スペースXに開発させると発表した。31年初めにこの宇宙機を使い、陸地から最も離れた南太平洋の海域に破片が落ちるよう狙いを付け、ISSを大気圏突入させる想定だ。

 ISSは微小重力を利用した科学研究施設で、1998年に建設が始まり、2011年に完成した。老朽化が進んだため米国はISSを引退させ、米企業が今後建設する民間ステーションに後を委ねる計画。26年度から研究を徐々に縮小し、移行に注力する。

 複数の処分方法を検討したが、サッカー場が収まるほど大きく、重さ430トンもあることから、宇宙で解体し地球に戻すのは困難。自然に大気圏に突入させるとどこに落ちるか分からず危ないため、狙った場所へ「最後の一押し」をする宇宙機が必要になると判断した。

 軌道離脱用の宇宙機開発は8億4300万ドル(約1300億円)規模の契約になる見通し。

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