いわきFC、後半3失点 長崎の個人技にプレス不発

【長崎―いわき】後半、敵陣に攻め込むいわきのMF山口=トランスコスモススタジアム長崎

 サッカーJ2のいわきFCは26日、アウェーのトランスコスモススタジアム長崎(長崎県諫早市)でV・ファーレン長崎と対戦し、1―3で敗れた。リーグ戦3試合ぶりの黒星で、通算成績は8勝7分け6敗。順位は8位で変わらなかった。

 試合は未消化分の第19節。いわきは前半を0―0で折り返したものの、後半4分に先制を許すと、12分にも失点。21分にセットプレーの流れからDF大森理生が頭で決め1点を返したが、39分に3点目を奪われ、反撃ムードを絶たれた。

 いわきは次戦の29日、ホームのハワイアンズスタジアムいわき(いわき市)で2位横浜FCと対戦する。午後6時開始予定。

 【評】いわきは長崎の高精度のプレーに翻弄(ほんろう)されて敗れた。果敢なプレスも機能せず、押され気味の戦いが続いた。前半は体を張ってピンチを防いだが、後半4分にカウンターから先制されると、その8分後にはロングボールで裏を取られて2失点目。同21分にセットプレーから1点を返して食い下がったが、終盤にサイドを崩されて決定的な3失点目を喫して突き放された。(小磯佑輔)

 強みの運動量出せず

 一人一人が高い個人技を誇る長崎が上回った90分間だった。フル出場したいわきのMF山口大輝は険しい表情で振り返った。「完敗と言っても過言ではない。できたことはあまりなかった」

 「首位に隙を見せるとやられてしまうということを痛感した」と山口。いわきが連動したプレスで相手を追い込んでも、長崎が質の高い1つのパスやドリブルで打開して好機を演出。いわきが攻めに出ても、1つのパスのずれから一気にカウンターで攻め込まれた。要所での技術の差が、3失点には共通していた。

 直近の試合から中3日と短い調整期間で、強みの運動量を出せず、狙ったほど相手DF陣にプレッシャーをかけられなかった。長崎が外国人選手を中心に強力な攻撃陣をそろえているからこそ、より献身的な守備で相手の攻撃陣にボールが渡る前に制限をかけたかった。「こういう(苦しい)試合でも走力を見せつけないといけなかった」と山口は唇をかんだ。

 次戦の相手である横浜FCも高い戦力を誇る。さらに、今節よりも1日少ない中2日での調整が求められ、苦しい状況が続く。それでも山口は「練習できる時間は少ないが、しっかり修正して勝ちたい」と意気込む。チームは踏ん張りどころを迎えている。(小磯佑輔)

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